飼い犬にかまれ続けて

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「騎士の国の最弱英雄 バーガント反英雄譚1」感想

騎士の国の最弱英雄  バーガント反英雄譚1 (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
30年前、バーガント大陸に魔族を率いて侵攻し、人類を敗北寸前に追い込んだ<魔王>。
だが、<魔王>は<天聖騎士>と呼ばれる英雄によって滅ぼされ、大陸には平和が訪れた。
世間では、そういうことになっていた。だが、真実は違う。
だって、ジュヴレーヌ騎士学校の劣等生・シュンには、<天聖騎士>の父、<魔王>の母、そして物騒な野望と強大な力を持つ姉妹がいるのだから……。
やがて世界を巻き込んで殺し合いを始めた姉妹の姿に、シュンは誓う。「ボクが元の平和な家族に戻すんだ」と。
大切なものを守るため、最弱の落ちこぼれは英雄を目指す!!

二ヶ月連続刊行、しかも2巻の表紙も出来上がっているのを見て「随分期待されているんだな」という感想と同時に、連続刊行になると「もしかして『つづく』で終わるのでは…?」と思ったが、ちゃんとこの一冊でひとつの話に蹴りは付いていました。

世界観自体は良くある異世界ファンタジーなので非常に入って行きやすい。かつて魔族たちと人類が戦争をし、魔王と英雄と戦いの末、人類が打ち勝った歴史のある世界。『あらすじ』を読んでしまえば、その先にあるこの物語の肝になる設定を知ることが出来るのだが、それを知っていても、物語の展開の遅さには不安になった。劣等生ここに極まり、といった主人公・シュンの落ちこぼれ騎士っぷりに頭を抱え、人の良いシュンに隠された秘密の風呂敷がなかなか広がらないことにも頭を抱える。シュンの秘密もそうだけど、読者は主人公の「良いところ」を早く見たいんですよ!

話の方向性が見えてくる100ページ辺りまで読み進めてから、この物語の面白さが徐々に伝わってくる。魔王と英雄の間に生まれた沢山の美女姉妹たち。その中に「醜いアヒルの子」のように混じっていたシュン。とんでもない『家族』に囲まれ、劣等感を味わい続けたシュンが、彼女たちと本当の『家族』になるための物語。そして『家族』の中には人類と敵対する道を選らんだ者たちもいて、つまりはスケールのデカイ傍迷惑な姉妹喧嘩をする訳か…(笑)

落ちこぼれだけど優しい兄=シュンに対して基本的にベタ惚れ状態の姉妹たちは、その数の多さだけあって、種々様々。いろんな姉妹を取り揃えております。多すぎて出番が回ってこない娘が出るんじゃないの、これ…。メインは戦うことの出来るソフィーとティンか。個人的にはお姉様に頑張って貰いたいけど。
最後まで見せ場なしか、と思ったが流石にそれはないか。シュンのやたら使いにくい異能の武器には、彼が落ちこぼれになってしまった理由も込められていて、何だか不憫になってきたぞ。それと同時に、シュンの孤独が浮き彫りになる、と。
生い立ちを聞いてもやはり「醜いアヒルの子」だったシュンが、ソフィーたち、それとバラバラになった姉妹たちと仲良く暮らせる未来はあるのか…姉妹ハーレム築くビジョンしか浮かばない!