飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録! ?8」感想

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録! ?8 (HJ文庫)

〈あらすじ〉
『終わってしまった物語』という未曽有の事態を前にしても、ヒロインたちを助けることを決して諦めない烈火。
そんな中、澪のふとした一言から烈火は土壇場で起死回生の一手を思いつく。
複雑に絡み合った4つの『物語』をまとめて救う、たった1つの方法とは!?
――幾多の絶望がひしめく中で、烈火の知略が失われた絆を取り戻す!

初の上下巻構成。長丁場になったけれども、物語を駆け抜ける疾走感は衰えず楽しむことができた。しかしまあこれは毎回言っていることではあるが…ヒロイン増えすぎィ!(笑)

烈火とて、完璧ではない。救えなかった物語、手を差し伸べることができなかった物語が存在する。これまで直面してこなかった問題に、心揺さぶられる烈火。救われたヒロインも、読者も、烈火ががむしゃらに頑張ってきたことが分かっているだけに、「助けられなかった物語」があることに関して仕方ないと思うものの、それで自分を納得させることができるほど、烈火は器用な人間ではなかった、と。ある意味、そういう考えの烈火だからこそ、不可能だと思えることだって、可能にしてしまうのだろうし、そんな烈火だからこそ、ヒロイン全員が放って置かず力を貸さずにはいられなくなってしまう。

物語全体に散りばめられた常識を覆す力、あるいは仕掛けを、無理矢理くっつけて困難な状況を突破していく烈火たちのスタイル。何処でどの仕掛けが使われるのか、ドキドキしながら見守る。特に後半…タイムスリップ後のメロスを想起させる展開は、過去を変えたことで起こる変化、想像力の欠如が引き起こすトラブルが頻発して緊張感に包まれる。それでも迷わず解決策を掴み取り、救ってしまうのが烈火だ。惚れ惚れする活躍!

絶望すらも突破して、希望に変えてしまう烈火の偉業。しかし当の本人は無自覚。もっと自分のやったことを誇って言いと思う。まあそれが烈火のイイところなんだけどね。奥手の皐月、逆に積極的すぎるイリスといった筆頭ヒロインを差し置いて、暗躍しそして故郷に烈火を連れてくることに成功したハリッサさんは策士ですな。僕のマイヒロイン・響もこれくらい烈火ゲットのために動いて欲しいのだけど。
シリーズも二桁が見えてきました。このままヒロインは増え続けるのか…登場人物一覧がなかったらもうヒロイン把握出来ない状況ですね…。