飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「ノノメメ、ハートブレイク」感想

ノノメメ、ハートブレイク (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
神々によって女の子にフラれ続ける運命を背負わされた少年・東雲芽吹。
誰にどんなに恋焦がれようとも、彼の恋は決して成就することはないのだが――。
「そんな運命、否定してやる!」と、天の国の少女・天王洲君を巻き込んで、彼は今日も元気に一目惚れ!
廃部寸前の弱小野球部のマネージャー、近づく人間に不幸を降りかからせる女の子、漫才師を目指すもわけあって相方のなり手がいない先輩。
惚れた少女たちのために一肌脱いで、突っ走って、傷ついて……、それでも彼は恋をする。
第7回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作。

もうこの季節になったんですね…(何処か切なそうな顔)
そうです、『小学館ライトノベル大賞』作品刊行の季節がやってきました。毎度思うんですけど、この新人賞名だと何処のレーベルかパッと見で分からないから、素直に『ガガガ文庫大賞』とかにすれば言いのに、と思ってしまうんだけどうわあなにをするやめ……

……ハッ!僕は今まで何を…何故か頭頂部に大きなたんこぶが出来ているような気がする。気のせいか。うん。

余談はここまで。内容の方へ。
『第7回小学館ライトノベル大賞』作品。一番手に読んだのはこの『ノノメメ、ハートブレイク』タイトルの後半はともかく、前半は何を意味するのかサッパリでしたが、これは主人公・東雲芽吹のあだ名。

「人の不幸はミツの味」
良く聞く言葉です。嫌な言葉なのに、妙に共感してしまうところがあるのは、僕の性格が悪いせいに違いない。
神々にとってのご馳走ミツ。とんでもなく上質なミツを持つ主人公・芽吹ことノノメメは、神々が美味しくミツを戴くため、不幸な運命を背負わされた少年。その不幸というのが「一生女性にフラれ続ける」というある意味えげつない呪い。神様超人でなし。あ、人じゃなかった。だからか畜生!

と、思わずノノメメへの仕打ちに怒りかけたのだが、不幸体質のノノメメを見ていると実に笑えるのでさっきの暴言、なかったことにして下さい。当のノノメメ自身、不幸を不幸と思わない、驚くほど前向きな男だということもあって、呪いがあっても非常に好感がもてる。ただアホだけど。
そんなアホなノノメメと共に人生を歩んできたらしい相棒(?)天王洲くん。無表情の可愛い彼女は、実はノノメメのミツを回収するために付き添う神様。一目惚れしては懲りずに意中の女の子に告白しては玉砕するノノメメから、淡々とミツを回収する彼女は、長い時を共に過ごしてきたこともあって、ボケとツッコミ、夫婦漫才のような会話がテンポ良く交わされ、これが引き込まれるほど面白い。

またこの二人は学園で『解決屋』なることをやっていて、それをノノメメは暴力的に解決への道筋を切り拓き、天王洲が知力で全てを丸く収めていく展開が主。ついでにこの依頼者たちも、ノノメメのペースに乗っかるほどアホなので、終始ボケまくりな感はある。天王洲くんはこの物語の良心だなあ(しみじみ)

神様を題材に扱いながら、しかしやっていることは日常の範疇でのことであり、大きな事態へと発展することはない。けれどもそれが良いのだろう。不幸な運命なんてなんのその!ひたすら可愛い女の子の尻を追いかけてはハートブレイク!天王洲くんと一緒に送る、ノノメメの奇妙な日常は、何よりも読者の心を暖かくするのである。