飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「すずみんは肉食系火竜」感想

すずみんは肉食系火竜 (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
かつて竜と人が交わった。希に竜の力を持つ人が生まれる。
穂村すずみもその一人だ。
超レアな"火竜"として覚醒した彼女は登龍門高校へ転校してきた。そして俺、白石鋼平は彼女の肉で壁になった。
何かにつけファイアブレス&「こうちゃんおいしそ〜♪」と俺ばかりが狙われるからだ!
立派な竜になるよう教育するも、妙な組織が彼女の力を狙っているらしく……て、俺の幼馴染みに変な手をださないでくれませんかね!?
最強火竜を守る学園ファンタジー開幕。

「肉食系女子」「草食系男子」ってもう死語なんですかね?
ところで朝の某ワイドショーに出てくる「草食系男子という言葉の生みの親」という人を見る度に色々納得のいかない思いを抱くのは僕だけではないはず。はい、ここまでどうでも良い前置きです。

「人」と「竜」が交わり、多くの月日が流れた現代。二つの種族の子、「人間」の中にはかつての「竜」と同じ力に目覚める者たちがいた。主人公の鋼平もまた、「竜」の力に目覚め、その力を管理するため同じ境遇の少年少女たちを集めた学園に通っている。が、鋼平は硬質化することだけが取り柄のおちこぼれ。とはいっても、劣等感を抱いている訳ではなく、比較的平穏な学園生活を送っていた。
しかしそれも、突然「竜」の力を宿すことになり、しかも学園に数人しかいない強力な「Ⅰ種」に指定された幼馴染…すずみの転校によって、騒がしい日常へと変化して行く。

硬質化だけが取り柄の鋼平。逆をいえば硬質化することに得化した彼の防御力は学園一。でもそれ以上何も出来ないから最底辺な訳で。
ふわふわとした柔らかい雰囲気を纏った天然系の幼馴染娘すずみ。鋼平に非常に懐いていてイチャコラするため、読者諸君の部屋の壁がなくならないから心配です。そんな彼女が、世界に類を見ない形で「竜」の力に目覚めたことで、当然その世話役に選ばれるのは鋼平と、彼の友達。しかも鋼平に与えられた具体的な使命は「壁になる」こと。力を制御できず、「火竜」の力…ファイヤーブレスを所構わず浴びせかけるすずみから周囲を守る壁役として大活躍する鋼平さんマジ漢。うん、鋼平じゃなかった死んでた…。

また力だけではなく、次第に行動も「竜」のそれになって行き、鋼平を食べようとまでする。男なら出来れば上ではなく下のお口で食べられたいとか下品なことは言わないで下さいね…誰も言ってなかった。
天然すずみの引き起こす数々のトラブル。それにてんわやんわ対応する鋼平たちお世話係りのドタバタを楽しんで欲しい。