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飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「高円寺碧のリバーシブルライフ」感想

高円寺碧のリバーシブルライフ (KCG文庫)

〈あらすじ〉
隣席の優等生美少女・碧に告白し、フラれて傷心の少年・広道。
その夜バイトでラーメンの屋台を引いている彼の前に現れたのは、ヤクザの家から飛び出してきた碧だった。組の跡取りとして身分を伏せて不自由に暮らす彼女のために、力になると決心した広道だが、なんと組に住み込みで働かされる羽目に!
憧れの彼女と一つ屋根の下、期待に胸が膨らむ広道だが、クラスで見せる姿とはまったく違うわがままっぷりに、前途多難な予感……。
そんな二人の前に、彼女の婚約者であり敵対するヤクザ三鷹組のイケメン息子・勇人が立ちはだかる。苦悩する碧の姿を見て、広道は一計を案じるがまさかの落とし穴が!?
恋する少年に起死回生の策はあるのか!?
人気作家・橘ぱん幻のデビュー作が大幅改稿でお目見え! 
ラーメンからはじまるラブストーリー!

お蔵入りになっていた橘ぱんさんの作品を、角川ブックウォーカーでお披露目。電子書籍ということで連載時には手を出せなかったので本になってくれたのは嬉しい。けれど、電子書籍化の進むこの時代。勝手な苦手意識を持たずにもっと電子書籍に触れていかないとねえ。

男子なら誰もが憧れる美少女優等生・高円寺碧。『撃墜王』の二つ名が示す通り、言い寄る男を片っ端から振って行く碧に対して「あれ?こいつ俺に惚れてるんじゃね?」と、とんでもない勘違いをした挙句、強烈な内容のラブレターを渡して見事散ったのは、主人公の中野広道。
玉砕し失意のどん底にいた広道は、バイト先の屋台ラーメンにやってきた乱暴な言動の美少女…碧を目にして度肝を抜かれる。極道の跡取り娘である碧の本来の姿を知ってしまった広道は、ラブレターを人質(?)に取られ、彼女の下僕にされてしまうのだが…。

見事な勘違いから告白し、盛大に爆死する広道の姿を哀れに思いそうになったが、良く考えなくても自分のせいだわな。
学校にいる時の表の顔は「穏やかな優等生」裏の顔は「粗暴な極道娘」という、訳ありヒロインの背景としてはお約束の設定といえる。そんな碧を広道は人格ではなく、彼女が大好きなラーメンを武器に引き込んでいく。女も胃袋を掴まれると弱いよね、だって人間だもの。

碧の本性を知って、彼女のことが本当に好きだったのかどうか自信が持てなくなってきた広道であるが、ふと見せる碧の弱い面を見て、放っておける訳もなく。碧が嫌がる許嫁問題に積極的に関わって行くことになる。この惚れっぷりを見ているとマゾの気がだいぶあるのでは…とも思ってしまうが。

終盤の広道の男気。殴られても決して倒れない強靭な精神…何よりも碧を助けたいと思う心が、彼を奮い立たせている。碧と関わるようになってから、男前になっていくなあ、広道くんよ。全てが丸く収まって、気持ちの良い読了感でした。