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飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「銃皇無尽のファフニール1」感想

銃皇無尽のファフニール1 ドラゴンズ・エデン (講談社ラノベ文庫)

〈あらすじ〉
突如現れたドラゴンと総称される怪物たちにより、世界は一変した 。
やがて人間の中に、ドラゴンの力を持った“D”と呼ばれる異能の少女たちが生まれる。
存在を秘匿された唯一の男の“D”である少年・物部悠は、“D”の少女たちが集まる
学園・ミッドガルに強制的に放り込まれ、学園生の少女イリスの裸を見てしまう。
さらに生き別れの妹・深月と再会した悠は、この学園に入学することになり……!?
「本当にどうしようもなくなったら、俺がイリスを 殺してやる」
「信じて……いいの?」
最強の暗殺者になるはずだった少年と、落ちこぼれの少女が繰り広げる、“たった一つの物語”が幕を開ける !
アンリミテッド学園バトルアクション!

これがカリスマ編集者の力か…!
小学館ガガガ文庫デビューのツカサさんが、講談社ラノベ文庫で描き出すのは強力な力を持つ巨大生物ドラゴンを軸に据えた壮大な物語。ガガガ文庫で展開していた長期シリーズを終え、さて次はどんな物語を創るのだろうと期待していたら、まさか違うレーベルで書くことになるとは。ひとりの読者として、好きな作家さんの活躍の場が広がるのは喜ばしいことだと思います。

突如出現した謎の生物ドラゴンが闊歩する世界。一度人間の前に現れると、大災害の如く人を蹴散らすドラゴンを駆逐しようとする人間たちがいる。彼等…『D』と呼ばれる無から強力な力を生み出すことの出来る異能者たちは、ミッドガルという対竜武装をした島の教育機関に集められていた。
唯一の男の『D』である物部悠は、ほとんど連行されるようにミッドガルにやってくる。彼はそこで生徒会長である妹の深月と再会、そして運命の女性…イリスと出逢い、ドラゴンを巡る争いの輪に誘われて行く。

ミッドガルに着いて早々、イリスの全裸を目撃する悠はまさにラノベ主人公ですね、絶対に許さない。
対人戦闘に関してはプロフェッショナルだが対竜戦闘については無知に等しい悠と、何をやっても成長なしの落ちこぼれのDであるイリス。出逢い方は最悪だった二人であるが、教室内では劣等生同士。共に成長するため、深月を巻き込んで訓練を始める。この流れは読者にドラゴンやDの使う上位元素生成能力の説明描写として良く機能する…のだが、能力設定を飲み込みのに僕ちょっと苦戦してしまいました。

まあ把握してしまえばそれほど難しいこともないのだけど。
ドラゴンの殲滅。そしてドラゴンはツガイ…特殊な反応を返した女性のDを、同じドラゴンにしてしまう現象から守るため、ミッドガルの人たちは戦っている。そのことに関して、衝撃こそ受けたものの重みには感じていなかった悠が、イリスとの交流、妹の背負うモノを知り、守り戦うことを決意していく。

しかしながら悠の力は対人向きであり、これ以上ドラゴンを増やす訳にはいかない人間の勢力には友好だが、ドラゴン戦には向かない。とはいえ後ろ暗い過去の思わせぶりから、何かあるとは思っていたが、ドラゴン同士の争いにもしっかり巻き込まれていて、悠は戦う運命の輪の中に既にいたことを読者は知ることになる。

人間とドラゴン。人間と人間。ドラゴンとドラゴン。それぞれの争いに関与しながら、悠はイリスを、深月を、護り続けることが出来るのか…これもまた風呂敷が広がっていく物語になりそうだ。