飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「俺のかーちゃんが17歳になった」感想

俺のかーちゃんが17歳になった (電撃文庫)

〈あらすじ〉
澤村隆史、高校2年生。ある日学校から帰宅するとそこには見知らぬ女子高生が! 「隆史、おかえり〜」って、まさか俺のかーちゃん!? いったい何があったのかを探るために、引きこもりの妹、優香と一緒にかーちゃんを尾行をすることに。どうやら巷で噂の「17歳教」に入ると、「永遠の17歳」になれるらしいが……。
17歳の母親による、ハートフルホームコメディ!

『17歳』といったらあの御方しかいないと思っていたらまさかの推薦帯ィ!これが天下の電撃文庫の力ァ!
17歳…それは無限の可能性を秘めている年齢と言ってもいい。ラノベ主人公やヒロインに17歳設定が多いのも、そういったことなんだと思う。まあ統計とかは取ってないけど。

ある日学校から帰宅した主人公・澤村隆史を待っていたのは、若々しい17歳の姿に戻っていた母親・和美だった。動揺する隆史を余所に、『17歳教』なる謎の団体の下で永遠の17歳になることに成功した和美こと「かーちゃん」は、引きこもりの女子中学生の妹…つまり和美にとっては娘・優香のセーラー服を着ると、忙しい様子で出掛けていく。何故かーちゃんは17歳になったのか?その疑問が頭から離れない隆史は、優香を引っ張り出し、和美の尾行を開始するのだが……母子家庭の『家族』の絆を紡ぐコメディ作品。

想像してみろよ、お前のかーちゃんが17歳だった時の姿を。
……無理ィ!!
そうですよね、無理ですよね、だって僕たちのかーちゃんなんだから。
当然、この思わず喉を掻き毟りたくなる拒否感を主人公の隆史も持っている。若返った母親に惚れる禁断の展開はありません。
感情を表に出さない妹・優香には17歳の姿をした和美を見ての葛藤はないものの、しかし母親が何故17歳に戻ろうとしたのかに関する興味はある…と踏んだ隆史は引きこもり解消の意味も込めて、和美尾行の名の下に優香を外に連れ出すことに成功。母親のことは勿論心配だが、優香は優香でお兄ちゃんと一緒に行動できて満更でもない様子なのがとても良い。可愛い妹は僕、好きです。※ただし二次元に限る。

何故かーちゃんは17歳になったのか…その疑問の答えを知った時、澤村家の『家族』の絆に関わる問題へと発展していく。コメディ要素を多分に含んで物語が進むため、和美の「頑張り方」に対して、ネガティブな印象を持たせずに読者を引っ張っていく書き方は上手い。それでも『家族』の問題にしっかり焦点を当てて、解決に向けて進行する様もまた良し。他人として、また同じ似て非なる境遇にいるクラスメイトとして、また恋人として…芽衣子は、様々な問題を炙り出してくれるキャラクターだった。

この和美の「やり方」「頑張り方」が最善だとは思わない。それでも大切な『家族』のためにやったこと。彼女の行動は決して否定していいものではない。この家族をこれからも応援したい。
……あと強いていうなら、ここまで17歳に拘ったなら、妹も双子設定にして17歳で揃えれば良かったのに、と勝手なことを思いました(笑)