飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「2013年上半期」オススメの新作ラノベまとめ

夏だ!
海だ!
ライトノベルだ!

と、いうことで(何が?)ライトノベルのメイン読者層である中高生の皆さんはもうすぐ夏休み。
山のように出る宿題をギリギリまで放り出し、遊び呆けることでしょう。
海に行くも良し。山に行くも良し。家に引きこもるのも良し。個人的には一番最後を推奨したい、暑いからね。

何にしても、旅のお供に、そして暇で暇で仕方ない時間を有意義なものにするために、ライトノベルは欠かせない存在。

「そろそろ夏休みだし、何か新しいラノベのシリーズに手を出したいなあ…」
とお考えの貴方にオススメしたい、2013年上半期(1月〜6月)発売の新作ラノベをまとめてみました。

『俺が生きる意味』 ガガガ文庫 著:赤月カケヤ イラスト:しらび

俺が生きる意味 1 (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
誰かを選ぶということは、選ばなかった誰かを犠牲にするということだ――。
ある日の放課後、高校生の斗和は、仲のよい2人のクラスメイトから同時に告白を受ける。だが、平穏な日常は唐突に崩壊する。突如として現れた“見えない壁”によって学校は外部と隔離され、生徒たちは“人喰いの化け物”が徘徊する学校に取り残されてしまう。大切な人達を誰一人死なせたくないと、斗和は必死に抗うが――。
濃密なサスペンス演出が冴える衝撃のパニックバトル、ついに開演!!この衝撃は心臓を抉る!!

思わず背筋がゾッとする。
ホラー要素を多分に含み、次の瞬間、主人公たちがどんな悲劇が起こるのか……。
読み始めると抜け出せなくなる中毒めいた緊張感が、この物語の中にはある。

『氷の国のアマリリス』 電撃文庫 著:松山剛 イラスト:パセリ

氷の国のアマリリス (電撃文庫)

〈あらすじ〉
氷河期が訪れ、全ては氷の下に閉ざされた世界。
人類は『白雪姫』という冷凍睡眠施設で眠り続け、そして、それを守るロボットたちが小さな村を形成し、細々と地下での生活を続けていた。
副村長の少女ロボット・アマリリスは崩落事故による『白雪姫』の損傷や、年々パーツが劣化する村人たちのケアに心を砕いていた。再び人と共に歩む未来のために。
しかしある時、村長の発した言葉に、彼女と仲間たちは戦慄する。
「――人類は滅亡すべきだと思う」

健気で可愛い機械人形のアマリリスを軸に、心在る機械と人間との関係を描き切った作品。
人類の存亡をかけて、自分が傷付くのも構わずに逆境に立ち向かうアマリリス。
その姿に胸を打たれ、冷たい人の心をも温かくするだろう。

『ナイツ&マジック』 ヒーロー文庫 著:天酒之瓢 イラスト:黒銀

ナイツ&マジック 1 (ヒーロー文庫)

〈あらすじ〉
極度の「メカオタク」だった一人の日本人が、異世界で『エルネスティ・エチェバルリア(エル)』として転生した。
その生まれ変わった世界に存在する巨大な人型兵器「幻晶騎士」と出会ったエル。彼は狂喜乱舞しながら、その操縦者となるべく行動を開始する。
この世界での幼馴染を巻き込みつつ、メカオタクとして思う存分本物のロボットを操る!
小説投稿サイト「小説家になろう」で大人気のロボットファンタジーがついに書籍化。

偏見はいけない。新興レーベルも積極的に読みましょう!
異世界に転生したメカオタクを、自我が芽生えた幼少期から追い掛ける展開が新しい。
大好きなことに執念を燃やす…燃やしすぎる主人公の驚きの行動を見ろ!

『灰と幻想のグリムガル』 オーバーラップ文庫 著:十文字青 イラスト:白井鋭利

灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
おれたち、なんでここでこんなことやってるんだ……?
ハルヒロは気がつくと暗闇の中にいた。何故こんなところにいるのか、ここがどこなのか、わからないまま。
周囲には同じように名前くらいしか覚えていない男女、そして地下から出た先に待ち受けていた「まるでゲームのような」世界。
生きるため、ハルヒロは同じ境遇の仲間たちとパーティを組み、スキルを習い、義勇兵見習いとしてこの世界「グリムガル」への一歩を踏み出していく。その先に、何が待つのかも知らないまま……。
これは、灰の中から生まれる冒険譚。

こちらも創刊したばかりのオーバーラップ文庫から。
主人公が物語開始時点から圧倒的な強さを見せる作品とは真逆を行く。
歯を食い縛って頑張って。それでも強くなれず挫けそうになって。それでも戦い続ける者たちの物語だ。

『クライシス・ギア』 集英社SD文庫 著:三上康明 イラスト:白井鋭利

クライシス・ギア 緋剣のエージェント・九重 慎 (集英社スーパーダッシュ文庫)

〈あらすじ〉
「クライシス・ギア」は有事の際、人間を守る発明品だった。だが10万人に1人の確率でこれを武器(ウェポン)化できる人間が現れた。
高校生・九重 慎もまた武器化の才能を持っていたため、政府機関「特防」に所属するエージェントとなった。そんな彼に、財閥令嬢である緋扇紗々良の身辺警護依頼が舞い込む。
ただの警護任務のはずが、緋扇本家の人間が全員惨殺されたことで自体は急変する!
紗々良を守る慎の前にも凶悪犯――クライシス・ウェポンの能力者「セブン」が現れる――。
強き「本能」を刃に――! バトルアクション開幕!!

王道の異能バトルモノであるが、しかしこの『王道』を描くのは実に難しいと僕は思う。
『クライシス・ギア』に関する設定には心躍る。
見事な設定が生きるバトルも必見!

『救世主の命題』 MF文庫J 著:今井楓人 イラスト:奈月ここ

救世主の命題(テーゼ) (MF文庫J)

〈あらすじ〉
第一のテーゼは"憧憬"!
永野歩は自分とは真逆の、万能の弟のせいで日の当たらない人生を過ごしてきた高校生。初恋のクラスメイト・遥菜に、なけなしの勇気を振り絞り告白したものの見事に玉砕してしまった。だが、すっかり世を諦めていた彼の前に現れた美貌の上級生・ルーメによると、歩は滅亡する未来の地球を救う"救世主"だという! 五人の少女と恋をし、心を通わせ、五つのテーゼを手中にしたとき歩は真の力を発揮する。まず一人目に落とすべくは、――今しがた失恋したばかりの遥菜!? 歩の戦い(恋)が始まる!

青酸っぱい恋の物語はいかがでしょうか?
目を背けたくなるほど痛々しい根暗少年の『恋』は奇妙な方向へと進んでいく。
胸が苦しくなる切ない恋を、最後まで見守って下さい。

『四百二十連敗ガール』 ファミ通文庫 著:桐山なると イラスト:七桃りお

四百二十連敗ガール (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
『聖シンデレラ学園』――超絶美少女が集められたその聖域に、希少な男子として合格を果たした石蕗ハル。
しかし、入学早々『蟯虫齧り虫』という蔑称を頂戴し、早くも彼の青春は暗黒の中へ!
そんなある日、ラブレター的な手紙に導かれたハルを待っていたのは麗しき妖精。
彼女こそ、デレ園最凶の美少女・毒空木美也子。
彼女との出会いが、ハルの学園生活を変えていく。そう、暗黒から地獄へと!!
第14回えんため大賞《大賞》、1/420のベストヒロインを探す、大惨敗ハートブレイクラブコメ!

一転、こちらはバカ笑いしてしまうほど明るいラブコメ。
学園の女生徒たちにフラレまくる主人公の玉砕の旅路は一体どうなるのか?
超ドSだけど可愛いヒロインに読者もまた振り回されることだろう。

『8番目のカフェテリアガール』 集英社SD文庫 著:石原宙 イラスト:029

8番目のカフェテリアガール 東京なごやかプロジェクト (集英社スーパーダッシュ文庫)

〈あらすじ〉
極度の味噌アレルギーで東京に逃避行する高校2年の米田シロ。ある日妹のなごのがシロを連れ戻そうと上京してくるが、突如目の前でシロの働く学食「満天」が爆発する。日本最大を誇るその学食では8つの食堂が覇を競い、日夜デス・ゲームが繰り広げられているのだった。
愛する店長代理の天のため、過激なバトルを生き残ろうと必死なシロに感化されたなごのは店に協力することに。
ダメ食堂「満天」。その立て直しはなごのの手に託された。
しかしなごのは〝魔都〟名古屋の申し子で……?

これが巷で噂の名古屋disラノベ…ちっがぁっ~う!!
目次だけを読んで判断しちゃダメ!
作者の地元名古屋愛に満ちた面白可笑しいドタバタ劇を読めっ!(命令)

『ヴァルキリーワークス』 GA文庫 著:逢空万太 イラスト:蔓木鋼音

ヴァルキリーワークス (GA文庫)

〈あらすじ〉
理樹が出会ったのは一人の戦乙女(ヴァルキリー)だった。
神界より「神威の回収」のためやってきた彼女は、一生懸命だがどうにも不器用で……。
『這いよれ! ニャル子さん』の著者が新たに紡ぐ、残念系駄目ヴァルキリー――駄ルキリーと少年の、出会いと戦いの物語。
「それじゃ――キス、しましょうか」 「いきなりですか!?」
驚愕に目を見開くフェルスズ。
「フェル子さん一人であのでかいのに勝てます?」「それは、その……か、勝てますとも! 」 「本当に?」「……多分」 「本当に?」「……」
理樹が迷い込んだのは色彩を失った世界。 そこに一人、色を纏う少女の存在があった。
彼女の名はフェルスズ――「戦乙女」なのだという。 彼女との出会いで、理樹の平穏な日常は崩壊し、知られざるこの世の真実に触れることとなる。
「舌入れていいですか?」 「駄目ですっ! 」
――そして。
はじめての、がったい。
駄ルキリーと少年が織り成すアクション×ラブコメディが開幕!

『這い寄れ!ニャル子さん』が大好きなら今すぐ手に取るべきなのです!
ニャル子さん同様、主人公とヒロインの掛け合いが非常に面白い。癖になるね。
フェル子さんが可愛くて可愛くて頬ずりしたい!

『冥玉のアルメイン』 ファミ通文庫 著:築地俊彦 イラスト:フルーツパンチ

冥玉のアルメインI (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
母が国王に見初められ、フィンメルハウゼン王朝の一員となったアルメイン。
しかし母の死を知った十歳のある日、美しい長姉ヒルトルートとの出来事から王家のおぞましさを痛感し、宮殿を飛び出してしまう――。
それから八年、大陸中を放浪していたアルメインの前に、騎士として成長した妹ナリアが現れる。
やむを得ず一時宮殿に戻ることにしたアルメインだが、彼を迎えたのは、血に囚われた王家の昏く輝く"宿命"だった……!
タクティカルファンタジー開幕。

国を巻き込んでの戦記モノのライトノベルが増える中……。
静かに繰り広げられる王族の権力争いを描くこの作品は珍しいのではないかと思う。
悪意を含む言葉という毒が、人の心を蝕む中で、主人公はどう戦っていくのかを見るのが楽しい。


以上、上半期に読んだ面白い新作10点を挙げさせて頂きました。
この10作品はTwitterで好きなラノベを選ぶ企画『ライトノベルツイッター杯』に投票しています。
興味のある方は下記アドレスからどうぞ

http://d.hatena.ne.jp/ranotwi/20121222