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飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「アーク9 2 セフィロトの魔導士(上) 」感想

アーク9 2 セフィロトの魔導士(上) (講談社ラノベ文庫)

〈あらすじ〉
世界の半分を失った人類は人工都市・「箱船」を創り上げた。
その九番目の箱船で探偵業を営む忍術使い、紫堂縁の下へ
1人の少女が現れる。少女の名はアンジェラ。物質を一瞬にして破壊、
そして再生することが出来る彼女を狙い魔術結社"セフィロト"が
その牙を剥く。縁は少女を護るため魔導士たちと死闘を繰り広げるが
縁の前に現れたセフィロト屈指の魔導士は、かつて縁と苦楽を共にした親友ノエル。
忍術VS魔術。しかも相棒レベッカは「変異」を発症し、その姿を人ならざる者に
なりつつある。変異を防ぐには制御薬を手に入れなければならない。
しかしそこに復讐に燃えるノエルが立ちはだかった!!

期待した通り…というと、色々誤解されそうだけど、ヤスケンらしくなかなか下衆な展開に向かっていって嬉しい。
この酷くムカムカする展開に対して、縁がどうやり返して見せるのか。そこに全てがかかっている。

今回は過去と現在を行ったりきたり。若き日の縁と、彼の相棒だった魔導師ノエル、そして家族ともいえる仲間との日々…その終焉。縁の「現在」に彼等の多くが登場してこないことから、当時の関係が断絶しているのは誰にでも予想できる。そんな中で「現在」、魔導師ノエルに関する調査だけを依頼された縁が、復讐を決意する心理になるのは「過去」にそれほどのことが起きたからだ。縁とノエル。いがみ合いながらも、頼れる同士であった二人に決定的な亀裂が入るまでを、ゆっくりと追いかけていくことになる。

レベッカにエスメラルダ、そしてヒルダといったい一癖も二癖もある女性陣に囲まれ、そして彼女等が持ち込む、あるいは呼び込むトラブルが同時多発してやたら忙しいように見える縁。本当に全部解決できるのこれ…と思うが、まあ全ての問題が繋がっていき、ひとつに集約されていくのはお約束の展開ともいえる。しかしエスメラルダはやたら可愛くなって動揺を禁じ得ない。

レベッカへの対応から分かるように仲間を、家族を、とことん大切に想う縁。だからこそ、ノエルの仕出かそうとしていること…いや「過去」の話だから、仕出かしたこと、というのが正しいのか。しかし僕たちはまだその先を知らない。でもノエルの抱えていた闇を知ってしまっただけに、一方的に非難できないが、気になるのはノエルも縁に対する復讐の想いがあるような描写だな。その辺りの繋がりが「過去」と「現在」でどう結ばれていくのか気になる。