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飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 」感想

落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) (GA文庫)

〈あらすじ〉
魂を魔剣に変えて戦う現代の魔法使い《魔導騎士》。
その学園に通う黒鉄一輝は魔法の才能がなく落ちこぼれた《落第騎士(ワーストワン)》だ。
だがある日、異国の皇女にして《A級騎士(ナンバーワン)》のステラから
『敗者は一生服従』という決闘を一方的に挑まれ――勝ってしまう!
一輝は魔法の代わりに剣技を極めた異端の実力者だったのだ!
「なんでもいうことをきかせればいいじゃない! えっち!」
悔しがりながらも一輝に惹かれ始めるステラ。
そして騎士の頂点を争う戦いの中、かつての《落第騎士》は
《無冠の剣王(アナザーワン)》としてすべての騎士からも注目され始める!
最底辺から並み居る強敵をなぎ倒して駆け上がる学園ソードアクション開幕!!

売り切れ続出で公式発売日に手に入らず、悔しい思いをしましたが、ようやく買うことができました。アニメイトで購入し、家に帰ってところで表紙イラストを確認したら随分と肌色分が多い…と思ったら店舗限定カバーだったのね。お胸が見えそうで見えない…これ触れないんですか?(真顔)

己の魂を武装に変えて、魔力を使って異能を振るう『伐刀者〈ブレイザー〉』
武術と通常兵器をものともしない『伐刀者』を育成する日本に七つしかない教育機関のひとつ、『破軍学園』の落ちこぼれ学生騎士・黒金一輝は、留学生のエリート学生騎士にして、とある国の皇女でもあるステラの着替え姿を見てしまったことから、決闘をすることになる。留年し、『落第騎士』のレッテルを貼られた一輝と『A級騎士』ステラの戦いは当初一瞬で決着が着くと考えられていたが、予想を裏切り、なんと一輝が勝利を収める。一輝の思い掛けない力の使い方に度肝を抜かれたステラは、彼に興味を持ち、次第に二人は惹かれあっていく。

設定に関しては「良くある」異能モノであるが、ゴチャゴチャした小難しい設定はない。序盤、綺麗に整頓された文章で情報提供され、抵抗なく受け入れられる。長々よした説明にならず、流れるように本筋に移行してくれる。またキャラクターも一輝とステラを軸に描かれていくため、基本的には二人の心理描写を追っかけていくことになる。「努力」と「天才」…正反対の環境で育った一輝とステラが、互いを認め合い、惹かれあっていく姿は至極当然の流れではあるが、まさか最後でそこまで行くとは…と、ちょっと予想外の展開も見せてくれる。

生きることを諦めない。
諦めない限り、終わりはない。
努力しても努力しても報われない一輝は、自分の才覚の無さに不平を言わない。ただ努力し続ける。そして諦めない。周りが何を言おうが気にしない。罵倒されても何とも思わない。しかし一輝というひとりの男を認めたステラは違う。一輝の努力が報われて欲しいと願う。周囲の悪意に腹が立つ。だから一輝を救おうと…声を上げる。たったひとりで生きてきた一輝は、ステラによって変えられた。負けることが悔しい…この気持ちもステラに与えられたものだ。全ての悪意を跳ね返すため、一輝はステラの言葉を力に変える。不可能を乗り越える戦いに挑む。

一輝とステラの関係。一輝を支える主要キャラクターのお披露目。一輝の力と、彼を取り巻く悪意。これから本格的に始まる舞台の幕開けの準備は万端だ。この学園だけでなく、他の学園にも話が拡大することを考えると、壮大な物語になるよなあ。この初速をシリーズを通して保ってくれると嬉しい。