飼い犬にかまれ続けて

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「空戦魔導士候補生の教官1」感想

空戦魔導士候補生の教官1 (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
≪魔甲蟲≫という脅威によって地上を奪われ、天空の浮遊都市に人類が住まう世界。
人類は魔力をもって≪魔甲蟲≫に対抗するウィザード――空戦魔導士を生み出していた。
空戦魔導士育成機関である学園浮遊都市《ミストガン》に通うカナタ・エイジは、
《黒の剣聖》の称号を得たS128特務小隊のエリートエース。
しかしいまでは「特務小隊の裏切り者」と蔑まれる嫌われ者で……。
そんなカナタが、ある日連戦連敗のE601小隊の教官に任命される。
小隊には一癖ありそうな3名の少女がいて――? 
裏切り者と落ちこぼれ少女たちの快進撃が、いま始まる!

何だかんだ言いながらも、粛々とファンタジア大賞作品を読み続けてしまうのは、やはり富士見に想いがあるからなのかな、とひとりで哀愁漂わせています。

『魔甲蟲』と呼ばれる化物に世界は蹂躙された。『魔甲蟲』は人の命を奪うだけでなく、殺した人の記憶を周囲の人々から全て消してしまう。恐怖した人類は空に浮かぶ浮遊都市へと拠点を移し、そこで『魔甲蟲』に対抗できる『空戦魔導士』を育て上げていた。学園浮遊都市『ミストガン』のエリート生徒であるカナタは、重要な局面で仲間たちを裏切った問題児。嫌われ者だが優秀なカナタに与えられた任務は、最底辺の小隊、通称『Fランク小隊』…連戦連敗の女の子だけのチームを鍛え上げることだった。

一癖も二癖もある「問題児だらけの落ちこぼれ小隊」を鍛え上げようとするのが、気怠げな印象のある優秀な問題児カナタ。デリカシーというものがないらしいカナタは、女の子しかいない『Fランク小隊』のメンバーと上手くいかず、更にいえば小隊の仲間意識も驚くほど希薄。そのどうしようもない状況を、カナタがひとりひとりの女の子を見据えて実力を伸ばしていき、最後には強敵『魔甲蟲』との激しいバトルが待ち受けている…といった展開。

こういった作品は「落ちこぼれたちが周囲をどう見返すか」というところをそれだけ面白く魅せてくれるかがポイントなのかな。そもそも実力はあるのに、奇妙なところで引っかかって本来の力を出し切れていない…のが定番の設定で、この作品もそれに漏れず、才能を引き伸ばそうとカナタが奮闘してはいるのだけど、飄々としているためか、あまり頑張って指導している感じはない。まあそういう性格なのだろうけど。展開の流れを詰まらせないため、というのもあるだろうが、基本的には三人の小隊メンバーの中で、主にカナタの意識は向くのはメインヒロインのミソラになってしまい、他二人は随分簡略化してるなあ、と思った。あと簡略繋がり…になるのか、後半まで『魔甲蟲』とのバトルがないせいか、イマイチ『魔甲蟲』の脅威が伝わってこなかった。
総合的に「綺麗にまとまっている」がそれ以上の良さを見つけるのが難しかったかな、と。もう一味欲しかった。