飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「リーディング・ブラッドII 月影の秘事」感想

リーディング・ブラッドII 月影の秘事 (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
かつて彼女の瞳には"適性者の紋章"が輝いていた――。鞍馬魅花との同棲生活も落ち着き、相坐凪紗はお嫁さん探しを再開した。そんな時、鬼に襲われた凪紗は式神を使う狐面の少女に助けられる。幼馴染みの伊澤奈巳によく似た少女の正体を探るも、奈巳にははぐらかされるばかり。一方、凪紗を訪ねて来た和服の少女・御雷凜々は笑顔で告げる。『お嫁さんになりに参りました』――世界のために素敵なお嫁さんを探す血統アクションコメディ大波乱の第2弾!

幼馴染不遇決定!!
と、いうことで一度は涙した僕でしたが、なんと意外なことに今回の表紙は幼馴染の奈巳ではないですか!そして歓喜!いや〜幼馴染の活躍する物語は良いですよねえ。

魅花と運命の出会いを果たし、想いを伝えた凪紗。が、見事玉砕してフラレてしまうものの、魅花は相坐家にいるため気まずい想いを抱えながらも日常を再開する。鬼神を倒すという共通の目的を持つ幽徒と鬼神の倒し方について話し合った帰り道、凪紗は謎の人物に襲撃される。そんな凪紗を助けたのも狐のお面をつけた謎の人物。二人の正体不明の人物の内、ひとりは幼馴染の奈巳に似ていて、もうひとりは幽徒の双子の姉である凛々であった。しかし襲撃者であるはずの凛々は凪紗に突然求婚し、それを聞いた奈巳は動揺を隠せず、想いを爆発させる。

血統の力を「最初の子供」にしか受け継がせられない設定がある以上、ハーレムエンドはありえない(?)
メインヒロインであるはずの魅花とのカップルが成立しなかった今、凪紗を落とすのは今ですよ、今!…ということで今回活躍するのは幼馴染の奈巳と、年上だけど見た目はロリ娘の凛々。片方は紋章を持たず、片方は敵対する鬼の一族の女の子。実に凪紗の想いに応えたいけど何も出来ずにいる魅花のもどかしい状況考えると、もしかして一番可能性があるのは妹の紗優なんじゃないかと思い始めるレベル。

魅花に振られたと知り、凛々の直球の愛に苛立ちを募らせた奈巳の想いが爆発。凪紗に寄せた10年分の想いが決壊し、勢いで凪紗に告白してからの彼女の輝きは素晴らしいものです。しかも自分たちの血統を守るために紋章を隠し、凪紗から距離を置かざるおえなかったことを語り、するりと正妻戦争の舞台に上がってきました。凛々も負けてはいないけど、今回は奈巳回というだけあって、後半は魅花の影が薄く感じるほど大活躍。凪紗と奈巳の輝かしい「未来」の一旦を見せて、ますます勢いづく幼馴染ちゃんの姿がそこにあった。

しかし設定上、ハーレムエンドはない、と思われているけれど、奈巳との「子供」の残した言葉が気になる。魅花に紗優に奈巳の「子供」たちを見てしまっているだけに、それぞれのヒロインに対する情が深いものになっている。出来れば全ての可能性を羽ばたかせて欲しいが…それはそれで凪紗を殴りたくなるわ(笑)