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飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「巡ル結魂者 1」感想

ライトノベル 講談社ラノベ文庫/講談社BOX

巡ル結魂者1 (講談社ラノベ文庫)

〈あらすじ〉
「リンクトランスフォーム、スタート。我とともに来たれ我とともに生きよ。
我、汝と魂の契りを望む!」 そんな声により、航斗は異世界に転送された。
そこは魔法技術を持つリンカと呼ばれる少女たちが存在する世界。
禁忌である男のリンカになってしまった航斗は、
彼女たちと学園生活を送ることになる。そして航斗を召喚したのは、
リンカの祖にして最後の魔法使い・聖女メイマスモゴリアだと判明し !?
「お前の要素一ミリも聖女じゃないな。ええと、メイマ……?」
「ひっどいわー……メイでいいわよ。モゴはやめて。ゴリは絶対駄目」
「分かった。メイゴリ」「絶対やぶ蛇だったー!」
秋田禎信×菊池政治が贈る、ファンタジーの最前線が今ここに誕生!

講談社ラノベ文庫に秋田禎信さんが参戦…だと…!?
しかもイラスト担当が菊池政治さんということで、『魔術士オーフェン』を読んだことのない、あるいは知らない読者も手に取りやすくなっているのでは。おっさんラノベ読みとしては、秋田禎信さんを知って頂ける作品が出たのは嬉しいな。

ある日、自分の周りを漂う幽霊のような「謎の手」に気づいた高校生の高城航斗が、その手に触れた時、呪文のような言葉が響く。そして次の瞬間、航斗は見知らぬ世界にいた。背後霊のように航斗の近くを浮かぶ魔法使いとともに……。
最強最後の聖女メイマスモゴリア。絶滅したはずの魔法使いに何故か取り憑かれ、異世界に引き込まれ、更に化物に襲撃される羽目になった航斗は、『リンカ』の少女・火曜テイカに救われる。
『リンカ』…生物とリンクし、その力を行使することができる者。しかし『リンカ』は女性に限られ、男性がその力を持つのは禁忌とされていることから、航斗は監視対象となってしまう。

良くある「異世界召喚モノ」なのだがそれを秋田禎信さんが描くと何処かおかしな感じになるのは良く分かった。や、褒め言葉ですよ、これ(笑)

異世界に召喚されたというのに、これといった動揺も見せずに異様な状況を受け入れる航斗は何よりおかしな存在だと思う。昼行灯に見えて恐ろしく頭の回転が良いのか、メイやテイカを中心に奇妙な切り返しをしては相手を混乱させる。まあメイも大概おかしな魔法使いではあるけれど。この会話の掛け合いもこの作品の魅力。

ファンタジー世界ではあるけれど、魔法は既に無く、変わりに存在するのが『リンカ』だ。奇妙な力を持つ生物と繋がることでその力を発揮することのできる女性たち。男性の『リンカ』は忌避され存在してはいけない…というのに、メイとリンクしてバスバス魔法を使う航斗が危険視されない訳がない。加えてメイの突飛な行動が無用なトラブルを生み出していて、意外と航斗は苦労を負わされたりしてる。

こう設定を見ていると「王道」「お約束」が目立つのにどうしてここまで歪んで作ってしまった? と言いたくなるほど直球を外してくる。地の文でサラッととんでもないことを起こす人なので、ちょっと読み飛ばしてしまうと話について行けずページを巻き戻さないといけないのはご愛嬌です。違った持ち味だった。シリアスなのかコメディなのか、ほんとこの物語どう進んで行くんだ?(笑)