飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「黒猫の水曜日 4 Live and Die on this Day」感想

黒猫の水曜日 4 Live and Die on this Day (黒猫の水曜日シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

〈あらすじ〉
各地の戦乱に介入し続ける十河正臣と《黒猫商会》に対し、ついにコンスタンティン・インダストリィ(CI社)による本格的な報復が始まった。最先端の科学技術を動員した強化兵士の襲撃に戦火に包まれる櫻谷学園。そんな中、仲間たちと合流せんと急ぐ篠原禊の前に、義父・マイケルが立ちはだかる。彼は、正臣たちが保管する大量破壊兵器を用いて、東京全土を人質としたテロを行なおうとしていた……明かされる《アレス計画》と《アンタレス計画》の全貌! 学園ミリタリーアクションシリーズ、ついにクライマックス!!!

篠原禊とマイケル・オルソン。
弟子と師。
娘と父。
ミリタリー・アクションの文句通りの激しさを失うことなく、二人の関係を描き切り心を打つ物語だった。

人は決して一面だけでは生きていない。マイケルにしても、正臣にしても、禊の信頼を裏切り別の面を見せつける。腹立たしいほど禊の想いを置き去りにして展開される復讐劇。禊でなくても二人をぶん殴ってやりたくなりますわ。

義父であるマイケル。彼の復讐が今回のテロ事件とどう繋がっていくのか、察しの悪い僕はドキドキしながら読み進めていた。大きな犠牲を防ぐために、小なる犠牲は無視される。単純な足し算・引き算で納得しているのは傍観者だけだ。マイケルの噴き上がる復讐心は、娘の父を想う行動に押し留めらる。そこにあるのは復讐心とは正反対の愛であった……。

正臣、マイケルの二面性だけではない。篠原禊本人、そして亡くなっている禊の両親にも過去がある。何を信じていいのか、何を疑えばいいのか。それでも好きだと感じられる相手を信頼しないことには、人は先には進めないと想う。だから禊は両親の愛と正臣の想いを信じることにした。

最後の二面性。ミリアムの見せる嫉妬の炎が禊に迫る。ロバートを退けたが、あの恐ろしい娘のこと、何か禊を、正臣を苦しめる何かを仕掛けてくることだろう。