飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ナイツ&マジック 3」感想

ナイツ&マジック 3 (ヒーロー文庫)

〈あらすじ〉
異世界の記憶を持つ少年エルネスティは、ロボット好きの趣味が高じて、新型幻晶騎士テレスターレを生み出した。国王アンブロシウスは、彼の身を案じ、彼の護衛として、またその力を生かすために銀鳳騎士団の結成を命じた。騎士団を率いたエルネスティは元気に暴走する。新型機は、人型ですらない半人半馬の異形の騎士。さらには新型推進器まで開発し、挙句空まで吹っ飛ぶ始末。止まらない彼の爆走は、やがてフレメヴィーラ王国全土へと大きな変化を与えてゆく。そんな折、アンブロシウスは彼と交わした、ある約束を果たす決意を下していた。自身が求める最大の秘密を前にして、エルネスティは期待に胸を高鳴らせる。しかし同時に、彼は衝撃の事実を告げられた。「秘密を守る隠れ里に、大きな危機が迫っている」と――。

「ライトノベルとロボットモノは相性が悪い」「表紙は男よりも女メインの方が良い」というのを、ことごとく否定してくれるこの作品。まあ後者に関しては「エルくんがヒロイン」なる説もあるからアレだけど……。

国王直属の騎士団団長にまで出世したエル。好き勝手できる環境が整い、望み通り好き勝手開発を始める揺るぎなさは見習うべきところがある。そんなエルの大活躍を賞賛したり呆れたりする人が多い中、妬みの視線を向ける者も少なからずいる。本職の開発工房はエルの独創的な発想にやられるも、最後には対立構造を作ることなくエルの実力を認め、開発に協力することになる。まあエルの場合、粗削りな設計すぎてとても「量産機」と呼べる代物にはならないぞ。ツェンドルグなんてまさにその筆頭だわな。だけど双子設定を上手く利用した機体で、僕は大変満足です。

アンブロシウスの手のひらの上ように見えて、ヒラヒラと自由気ままに逃げていくエルくんがいる。物語後半ではついに動力部の秘密に迫り…念願のマイロボットを作り上げる。イラストのお目見えはまだだけど、かなり厳つい感じかな。可愛いエルが乗るには不似合いすぎる(笑)