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飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「セクステット 白凪学園演劇部の過剰な日常」感想

セクステット 白凪学園演劇部の過剰な日常 (このライトノベルがすごい! 文庫)

〈あらすじ〉
地味で弱そうで友達の少ない少年・カキタニは、自分を変えるべく、進学を機に演劇部に入部する。だが、彼が入部した演劇部は、人間関係を有利に支配し、世の中をうまく渡っていくために『演技』を活用しようとする女生徒たちの集まりだった! 第4回『このライトノベルがすごい!』大賞・大賞受賞作は、演劇部の部室で日々展開される無軌道かつハイテンションなハイパー日常系コメディ。美少女だけど、どこか変わっている5人の先輩たちと一緒に、人生の勝ち組を目指せ!

「先輩」
そう呼べる相手が女性である、というのは羨ましいことです。え? 僕ですか? そういう野暮なことは聞かないで下さい、死んでしまいます……素晴らしい先輩たち…です…(無理矢理言わされてる感)

大人しい性格の中学一年生・カキタニは、演劇部に所属している。演劇部の男子はカキタニひとりだけで、他は皆女子。しかも二年生の「先輩」だ。カキタニと先輩たちの日常、その中には演劇部らしい内容は含まれない。何故ならばこの演劇部は人間関係を円滑にするための「演技」を磨く場だからである。

クラスでは大人しく目立たないが、演劇部ではツッコミ役に回る主人公のカキタニを中心…にはせず、かしましい個性豊かな二年生の女性陣が喋り倒す、一言で言えば「世間話」をそのまま小説にしてしまったようなお話。大事件が起きることもなく、ただ部室に集まり小さな話題を掘り下げ大盛り上がりするだけ。まあこう書いてしまうと「それの何が面白いの?」と思ってしまう訳だが、カキタニと女性陣のボケとツッコミの掛け合いが上手く、会話文をメインに物語を推し進めているのは凄い。

特にふわふわ可愛い見た目なのに、端々で「黒さ」をチラつかせるモモ先輩の不穏な台詞とのギャップに驚く。敵に回したくない人間とは彼女のこと。あと何気に下ネタが好きなのもグッドだと思います。そんな彼女に惚れながらも、他の先輩にもしっかり目移りしているカキタニくんは実に青春しているな、と。

青春。そうカキタニは青春している。なのに何故だろう…どうしてこんなに「残念」な思いに駆られるのか。それは恐らく青春を謳歌しているようで、全力で無駄にもしているように見える彼と彼女たちの日常のせいだろう。だがそこが良い。