飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「魔法学園(マギスシューレ)の天匙使い」感想

魔法学園(マギスシューレ)の天匙使い (このライトノベルがすごい! 文庫)

〈あらすじ〉
スプーンを使った魔法「スプーン天匙」の伝達者であるブルンは、ブロックス魔法学園の生徒。学園での成績は第6位だが、魔法のマイナーさと地味さで影の薄い存在だった。そんな彼はもっと強くなるために友達3人と様々な計画を立て、間近に迫る『闘宴会』で勝ち進もうと意気込む。しかし同じ頃、学園には不穏な影が忍び寄っていた。第4回『このライトノベルがすごい!』大賞、初の金賞&栗山千明賞をW受賞! オンリーワンの学園ファンタジー登場!

『このライトノベルがすごい!大賞』を受賞すると栗山千明さんにお会いできるって聞きました(迫真)
もう栗山千明さんにお会いするためだけに新人賞に応募する人が出てもおかしくない…ごめん、やっぱりおかしいですね、はい。

『スプーン天匙』というその名の通り、スプーンを使う魔法の伝達者であるブルン。あまりにもマイナーな魔法であるため、その名を知る者はほとんどいない…ブルンは自身が活躍し、『スプーン天匙』の名を世に知らしめようとしていた。が、ブロックス学園内での成績は6位。1000人以上の生徒がいる学園であることを考えると、十分すぎる成績だがそれに満足できないブルンは仲間と共に更なる高みを目指し、奮闘する。その最中、ブルンたちは巨大な陰謀の渦に巻き込まれることになる。

良くある「剣と魔法のファンタジー」に投入する一味がまさかのスプーンとは。そういった名前の特殊な道具ではなく、食事に使う食器のスプーンを操り、スプーンを巨大化されたりと巧み(?)に戦う。それで弱いのならまだしも、学園6位の実力者であるのだから認めないといけない。が、この『スプーン天匙』の知名度は恐ろしく低く、魔法の伝達者であるブルンはもっと喧伝したい訳です。まあ知れば知るほどちょっと覚えたくない魔法なんだけど(笑)

幸いにも仲間たちには恵まれ、彼らと一緒に強くなるためにあれこれ始めるのだがトラブルばかりを引き起こす。その際に『スプーン天匙』がいかなる魔法なのかを見せてくれるのだが、真面目に戦っているので手に汗を握る。設定は奇抜だけども、必死に努力して頑張って空回りして…そのブルンの姿に好感が持てる。とにかくブルンの格好悪さと格好良さが奇妙に同居した不思議な魅力を放つ作品だったなあ。