飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)2 」感想

落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)2 (GA文庫)

〈あらすじ〉
 学内戦で順調に勝ち星を重ねていく一輝とステラだが、恋人としての関係はまったく進んでいなかった。おまけに美人の上級生・綾辻絢瀬が一輝に剣術の弟子入りをすることになり、ステラのやきもちが大爆発。そんなある日、一輝は絢瀬にとって因縁の敵《剣士殺し》倉敷蔵人に絡まれ、決闘することに!
 最底辺から並み居る敵をなぎ倒す学園ソードアクション、激闘の第二巻・開幕!

厨ニ病溢れるこの横文字の数々…堪らんな!(笑) ここまでやられるといっそ清々しいものを感じるくらいで、プラスこのバトルの疾走感も変わらず痛快だ。

『狩人』を降し、晴れて恋人同士になった一輝とステラだが、互いに「恋人」としてどう接すれば良いのか分からず一ヶ月経った今も関係は発展していなかった。そんなモヤモヤを抱えたまま、新たな火種(?)となるのが、先輩でありながら一輝に弟子入りを申し出た美人剣士・綾瀬だった。一輝と綾瀬の修行に嫉妬するステラ。そんなカップルたちと綾瀬を、全国ベスト8の実力者『剣士殺し』の牙が剥く。

前半と後半で綾瀬さんの性格が同一人物とは思えないほど変わっているですが。どんどん「素」を見せていく綾瀬に対して、一輝が「剣士」としてどう向き合うかが問われる話でもある。また「恋人」としてステラにどう愛を伝えていくのかも……。

「強さ」とは一体なんなのか?
強者たちのぶつかり合い。ひたむきに「力」を求め続けることが本当の「強さ」に繋がるか…それは分からない。
父を打ち破った因縁の相手『剣士殺し』蔵人を倒すため、どんなことをしても勝ち上がらなくてはならない綾瀬の前に、一輝の純粋なる「強さ」が立ち塞がる。綾瀬の心を見透かす一輝の「強さ」が救いもたらし、ステラはその背中にますます惚れ込んでいく。『無冠の剣王』と『剣士殺し』の戦いは更なる「強さ」を招く呼び水になったことだろう。