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飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「七曲ナナミの斜めな事情1」感想

七曲ナナミの斜めな事情1 (講談社ラノベ文庫)

〈あらすじ〉
この星にはちょっとした秘密がある。《ミラー》と呼ばれる、『あちら側』の世界 僕たちが生きている星とは少し違う世界で、僕たちは《マスクド》という能力者として、怪物たちと
戦っている。なぜなら倒した怪物に応じたポイントで、現実の願いを叶えてもらうことが
できるからだ。とはいえそんなゲームじみた戦いに少し飽きてしまいつつあった僕だけど、ここしばらく、大型の怪物にたった一人きりで挑み続ける“フードファイター”と
呼ばれる《マスクド》の存在が少し気になっている。そんなある日、彼女の正体が、いつも無愛想なクラスメートの少女・七曲ナナミだと知ってしまい……!?
雨木シュウスケ最新作の、学園×青春×バトルストーリー!

『鋼殻のレギオス』を序盤だけ読み、面白いからとりあえず買い続けて後で纏めて読もう、と思っていたら長期シリーズの上に外伝まで発売されてしまい、レギオスだけで随分積んでるどうしよう、と悩んでいる今日この頃。皆様、どうお過ごしでしょうか?(この感想を書いてる日は台風です)

『ミラー』と呼ばれるこの世界そっくりの宇宙人が作り出したもうひとつの世界が存在する。『ミラー』には怪物が闊歩し、それらを倒すとポイントが貰え、どんな願いでもポイントを支払うことによって叶えてくれるシステムになっている。主人公の「僕」は『ミラー』でポイントを巡り戦う『マスクド』であったが、半年前に大きな願いを叶えてしまい…飽きていた。それでもポイントを獲得するため『ミラー』にやってきている「僕」は、ひとりの少女を目撃する。大型の怪物に挑む無謀な戦いを繰り返すフードファイターという名前の『マスクド』は、「僕」のクラスメート、無愛想で没交渉の七曲ななみだった。

現実世界と瓜二つの世界を舞台に、オンラインゲームのように怪物を仲間と協力したり、あるいはソロで討伐する。倒せば相応のポイントが付与され、願い事のレベルによって違うポイント量を支払い、現実にもたらしてくれる…という何とも都合の良い設定。しかも願い事を叶えるのが宇宙人というワードだけで処理しているのだから、ある意味凄い。が、正直この設定の都合の良さは主人公の「僕」…そう、この物語の中で主人公の本名は語られない…と、終始眠そうな目をしている無愛想にほどがある女の子・七曲の奇妙な関係の前ではどうでも良い設定でしかない。つまり「細けえことは気にすんな!」の精神で読み進めて欲しい、ということ。

もはやおバカとしか言いようのないほど無謀に大型怪物に突っ込んでも何の成果も得られずにいる七曲。学校では何もすることなく窓の外を見つめ続ける姿から程遠い。そんな彼女のチグハグな姿勢が、『ミラー』に飽きてきた「僕」の心を擽る。最初はツンケンして話も聞かなかった七曲であったが、大型怪物との戦い方を「僕」に指南して貰う展開になり、徐々に…本当に少しずつ、二人の距離を縮めて行く。また七曲のポイントを大量に使っての目的は衝撃的なもので、そこにも物語を展開する上での謎が散りばめられている。

「あとがき」でないけど、硯さんの描く七曲は、文章通り、「ちゃんとしていればちゃんと可愛い女の子に見える」イラストに仕上げてきているのが良い。何ともモッタイナイ女の子なんだよなあ、七曲。しかし今後の展開次第で、色々な人と関わり、七曲も変わっていればどんどん可愛くなりそうだな。