飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! 8」感想

おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! 8 (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
文化祭の一件以来ずっと立ち直れず、長谷川からも逃げ続ける俺。一方で恋ヶ崎と鈴木の仲は、順調に距離が縮まっているようだ。そんな中、桜井さんに来週の水曜の予定を訊かれたのだが、その日は俺の誕生日で――。

『ストーリー満足度NO,1』…かどうかは別にしても、単なるラブコメと違うのはしっかりと完結に向けて走っていることなんだよなあ。正直、生温い日常が永遠に続くタイプのラブコメだと思っていた。良い意味でそれを裏切ってくれる「王道」ラブコメだよ。

「女心は分からない」と泣きが入りそうな直輝。や、おまえは頑張ったよ。これまで色々言ってごめんな…でもやっぱりモテるお前のことは許せそうにない。
まさかの展開、あるいは予想されていた展開。問題はその先にそんな物語が続いていくのか、だ。桃への感情は独占欲なのか。それとも愛情なのだろうか…気になればなるほど互いの距離は遠くなっていく。

その隙間にするりと入り込んできたのは、小豆ちゃん。彼女はほんと良いお嫁さんになりますよ。小豆ちゃんこそがこの物語のヒロインなんだ…! とはなりそうにないのが、まあ小豆ちゃんのような健気なキャラクターの末路なんだよねえ。小豆ちゃんとなら直輝は良い人生が遅れそうなんだが。

素直になるヒロイン。心が読めないヒロイン。極端な感情の交流に驚きながらも、クライマックスに向かって『オタリア』は突き進んでいく。最後まで楽しませて下さい。