飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「シノシノ」感想

シノシノ (電撃文庫)

〈あらすじ〉
──生まれついてのトラブルメーカー。それが篠宮忍の双子の妹・詩乃である。中学を卒業するまでの十五年間、様々なトラブルと共に歩んできた詩乃。その一番の被害者が、兄の忍だった。
そして今回詩乃からお願いされたのは、インターネットで知り合った同い年の女の子・沢渡カレンと、卒業旅行で無理という詩乃のフリ(女装)をして会うことなのだが……。バレないようにするだけでなく、女の子らしいカレンに徐々に惹かれてしまった上に、カレンは自分のことを詩乃だと思い込んでいるわけで──。

Twitterを使ってオフ会に誘われるまで、インターネットの向こう側の人たちと実際に会って交流することになるなんて夢にも思わなかった。実際にお会いしてネットでの人格そのままの方もいれば、随分とイメージの違う方もいるし、それどころか想像していた性別すら正反対だったこともあったな、と。ちなみに僕に会った方に印象をきくと「思っていたよりも年を取ってた」だそうです。うるせえわ!

トラブルメーカーの双子の妹を持つ篠宮忍。妹・詩乃が持ち込んだトラブルは、予定のある自分に代わり、ある人物に会って貰いたい、ということ。ネットを通じて出会ったらしいその相手に会うため、詩乃そっくりに「女装」させられ、ハンドルネーム「シノシノ」に成りすました忍であったが、待ち人を一目見て運命を感じる。沢渡カレンという名前の可愛い女の子は、成り代わった「シノシノ」と仲良くしようと必死になる中で、忍は彼女に惹かれていくことになる。

男の娘モノではなく、女装モノ…というのが正確なのか。妹に成り代わり女装した忍は一目惚れしたカレンとの距離を近づけていくが、あくまでもカレンが仲良くしている、そして仲良くしたいのは「シノシノ」であり、男の忍ではない。そのジレンマを抱えながら、自分の中にあるカレンへの想いをいつ吐き出していいものかと悩むところがこの作品のキーになる。男として忍はカレンと出会ってもいて、そこで好感を抱かれていないのは分かっているだけに更に悩んでいく。

忍に対する態度と、「シノシノ」に対する態度がまるで違うカレン。どうにもその変わり身が腑に落ちなかったのだが、なるほど、そういう仕掛けに繋がっていくのかと面白いと思う一方で、かなりゆったりとしたペースでラブコメが進行するのでどうにも盛り上がりにかける。ラブコメと謳っているのに「コメディ要素」が欠如しているような気がするので、そこが味気なさになっているんだろうなあ。読みやすくはあるが、読み易すぎて物足りない、というのが正直な感想です。