飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「七人ミサキも恋をする」感想

七人ミサキも恋をする (電撃文庫)

〈あらすじ〉
 ごく普通の少年・臼谷伊吹が、ある朝目覚めると、枕元に二人の美少女がいた。寝ぼけ眼の伊吹は夢だと考えるが、そうではないようだ。しかも彼女たちと話しているうちに、美少女が七人にまで増えてしまう。え? 羨ましい? それは間違いだ。なにしろ彼女たちこそ、名高き悪霊集団「七人ミサキ」なのだから……。
 自分を殺そうとする可愛く魅力的な悪霊たちと、なんとか助かろうと足掻く少年の、奇妙でコミカルな同棲生活が、ここに開幕っ! 傑作『隙間女(幅広)』の著者・丸山英人が贈る、愉快な物語。

七人の美少女たちに囲まれて過ごしたい願望はあるけれど、悪霊な上に殺されてしなうのは遠慮したいですね(真顔)

平凡な高校生の伊吹が自室で目覚めると、何故か言い合いをしている二人の女の子が。しかも女の子たちはどう見ても普通ではない…何故なら薄っすら透き通っているのだから。更に女の子たちを追加した彼女たちは『七人ミサキ』を名乗り、自分たちは悪霊集団だという。取り憑いた相手を呪い殺すのが目的だと話す『七人ミサキ』に震える伊吹であったが、リーダーである都が伊吹に一目惚れしたことから、奇妙な共同生活が始まる。

七人の可愛い悪霊に取り憑かれた少年の日常をコミカルに描き出している作品。取り憑いた相手を呪殺することで、『七人ミサキ』は悪霊になった順に成仏し、殺された人間が新たな『七人ミサキ』の一員となる、という設定なので結構重たい内容なのかと思ったら、特に過去の死因について深く語られることなく、伊吹を悪霊たちが弄り倒しながら物語は進行していく。しかし伊吹を呪い殺さない限り、『七人ミサキ』は他に行くことも出来ないので、伊吹を「殺す殺さない」の物騒な議論は悪霊たちの間で終始されていくことになる。この辺りの議論が、物語の鍵になるのかな。

伊吹に一目惚れした健気な美少女悪霊の都を始め、個性的な悪霊美少女が揃っている『七人ミサキ』。中でも伊吹を殺すこと…『七人ミサキ』の宿命から逃れたい初希のトゲトゲしい態度は、ある意味その後の展開が楽しくなるくらい分かりやすい。トゲが取れた後の初希は可愛いのです。スポットが当たるのが展開上、都と初希ばかりになってしまっているは仕方が無いので、次巻があるなら他の悪霊たちも暴れさせて欲しいなあ。