飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「斉藤アリスは有害です。 世界の行方を握る少女」感想

斉藤アリスは有害です。 ~世界の行方を握る少女~ (電撃文庫)

斉藤アリスは有害です。 ~世界の行方を握る少女~ (電撃文庫)

〈あらすじ〉
「有害者」……それは周囲に不条理な災いをもたらす慮外の人類。
しかし、山之上秀明はオカルトを信じない。
たとえ相手が、不幸なら失恋から事故まで何でもあり、挙句テレビ局まで倒産させる不運のハリケーンでも。
だから彼は彼女を観察する。
斉藤アリス。美しい外見とは裏腹に、人類唯一の「有害者」と定められた少女。
だが観察を続けるうち、秀明は意外にも可愛く純粋な、彼女の本当の姿を知って──。

斉藤アリスは嫌われ者です。何故なら彼女が災難を振りまくから。
でもアリスはとても優しい女の子。だから山野上秀明は、彼女を大切にしたいと思い始めるのだろう。

最初は単なる偶然だと思っていた。しかしその人物と関わったばかりにとんでもない災難が立て続けに起きたら?
流石に「偶然だよ」で片付けるのは難しくなるのではないだろうか。例え偶然だと思い続けても、恐れから二度とその人物には近寄りたくないと考えてしまうのが人間。

『有害者』
日本政府が不運の権現である斉藤アリスを『有害者』として、一種の災害に認定した。そんな人間に誰が近づきたい?
いた。アリスが通う高校。そのクラスメイトである秀明は「オカルトは信じない!」「未知は徹底的に追求する!」「曲がったことは大嫌い!」という、いわゆる変人。友達のいないアリスに対する配慮として、学校が課した「アリス係」になった秀明はこの誰もが忌避する形骸化した係の目的を遂行するために積極的にアリスに関わって行く。己の探究心を隠そうともしないバカ正直な上に熱い男である秀明を、アリスは最初こそ不審に思ったが次第に心を許す仲になる。アリスの無邪気な笑顔、秀明に懐く姿は何とも愛しい。守ってあげたくなる。

アリスとの日常。
『有害者』という名前が、アリスの心を苦しめるていることを知る。周囲で起こる不幸は無根拠で全てアリスのせいにされる。彼女のせいにすれば、誰も傷つかない。アリスこそが『悪』なのだ。
それがアリスにとっての日常。だから秀明と、アリスを『有害者』と嫌わない人との小さな幸せをとても大切にしていた。
アリスは優しい女の子だ。そんな大切な人たちが傷付くのならば、自分は消えるべき人間なのではないかと思い始める…思わされる。泣きじゃくるアリスの存在を肯定する秀明には「未知は徹底的に追求する!」性格がある。秀明の導き出した答えが、アリスの心を救う。

世界は何処までもアリスに対して残酷なのに、彼女は何処までも優しい。アリスの純粋さと、秀明の心のあったかさに最後まで心を救われる物語でした。