飼い犬にかまれ続けて

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「魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉6」感想

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉6 (MF文庫J)

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉6 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
ブリューヌの動乱より半年。客将としてライトメリッツで過ごすティグルは、ジスタート王の要請を受け、霧と森の国アスヴァールへと旅立つ。
密使としての航海中、ティグルは薄紅色の髪の幼げな少女と出会う。
立派な作りの斧――“崩呪の弦武”ムマを持つ彼女こそ、放浪の戦姫オルガ=タム。
なりゆきで彼女と同行することになるティグルだったが、アスヴァールの地にはさらなる“運命の出逢い”が待っていた。
容姿、人望、才能――そして確かな野心を持つ青年の名は、タラード。一将でありながら“王”の形を平然と説く青年に、ティグルの胸に去来するものとは……?
いくつもの邂逅が新たな伝説を刻み征く!
最強美少女ファンタジー、待望の第2部開幕!

第二部始動!そして最後の戦姫であるオルガちゃんついに登場ですよ。オルガ可愛いよオルガ。
…なのだが、今回は表紙のオルガが書き下ろしなのを除いて挿絵はなし。物語に支障もないが、イラストがあると華やかになるよね。よし☆ヲさんのイラスト好きなだけに寂しい…事情がありそうなので仕方ないことですが。

物語とは直接関係ない話はここまでにしておいて。舞台はブリューヌからジスタートへと移ると思いきや、ジスタート王の様々な思惑を含んだ頼みを聞き受け、内乱状態のアスヴァールに赴くことになるティグル。司令官としての資質が問われた次は、外交能力を見られることに。日々成長しているティグルならこなしてくれるだろうが、エレンを始め彼を慕う乙女たちは気が気でないだろうな(笑)
しかしなんだかんだいつも誰かと共にいるので、単独行動するティグルは珍しい気もする。とはいってもひとりで動いていたのは最初だけ。サーシャの助言を聞き入れた先で偶然にも出会ったのは第一部では未登場だった七人目の戦姫オルガ。今までは戦姫によってティグルは成長を促されてきたが、オルガに関してはその見た目通りまだまだ未熟な戦姫。旅の道中、ティグルがオルガに教えることの方が多い、というのも珍しい光景。若くして領地を治めることになったティグルとオルガの背景は似たところもあり、通じるものはあるのも二人が信頼関係を築く上で重要なポイントだったのでは。責務に背を向けてしなったオルガは、ティグルと一緒にいることで戦姫として統治者としての自覚が芽生える。常にくっ付いているティグルとオルガの関係を見たら、エレンたちは怒り狂いそうに思えるけどね(笑)いや、この状況を早彼女たちが知って欲しいものです。

アスヴァールで起こる内乱。ティグルが当初思い描いていた展開とは違う方向へと進んでいくが、エレンの期待に応えてしっかりこなし、冷静な視点で状況を見据えるティグルの王として資質が垣間見得る。ある意味で自分と似たような謀反を起こして国を救おうとするタラードに対して想うこともある。人が人を顧みない酷い状況のアスヴァールを内乱を治め、『英雄』ティグルの姿を見せてやって下さいよ!