飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「僕と彼女がいちゃいちゃいちゃいちゃ」感想

僕と彼女がいちゃいちゃいちゃいちゃ (MF文庫J)

僕と彼女がいちゃいちゃいちゃいちゃ (MF文庫J)

〈あらすじ〉
僕は沢渡由吾、16歳の高校1年生。
どこにでもいる普通なやつだけど、強いてトピックスを挙げるなら、最近幼なじみの飛鳥井愛火と付き合いだした、ってことくらいか。
まだ愛火が恋人って感覚に慣れないし、あいつの積極的なアプローチに押されっぱなしな僕だけど、それなりに上手くやっていたと思う。
……そう、やっていた。あの日、全校生徒から腫れ物のように扱われている絶世の美少女、“氷雪の女帝”獅堂吹雪の秘密を知ってしまうまでは――
「私に必要なのはトキメキよ。沢渡くん、治療者として私といちゃいちゃしなさい」「僕には恋人がいるんだよ!」
――恋人と美少女、二重でイチャイチャな学校生活が始まる!?
前代未聞のいちゃラブコメ、登場!

表では恋人といちゃいちゃ。裏では愛人といちゃいちゃ。
うおおおおおおおお!!羨ましいぃ!!羨ましいよぉおおおおおおおお!!
…ふぅ。僕としたことがあまりの羨ましさに錯乱してしまった。いや、ほんと読んでると暴れ出したくなるほど羨ましいいちゃラブですわ。

取り立てて特徴のない男子高校生・由吾は、幼馴染の愛火と付き合うことになる。長年共に過ごしてきた幼馴染と晴れて恋人同士に慣れたものの、あまりに付き合いが長過ぎてなかなか愛火と恋人のように振る舞えない。
愛火と初々しい恋人ライフを送る中、由吾はクラスメイトの美少女・獅童吹雪の秘密を知ってしまう。『青春症候群』獅童家の者の思春期に現れるこの病気は「異性と触れ合いたい」衝動に駆られる、ある意味恐ろしい病気。獅童の発作を抑えるためが、彼女と触れ合う異性に選ばれた由吾は恋人の愛火といちゃいちゃしながら、治療者として獅童ともいちゃいちゃする危険な日々を送ることになる。

主人公の由吾は、恋人の愛火とコッチが恥ずかしくなるくらいピュアないちゃいちゃをしていたかと思うと、可愛い顔して口を開けば下ネタばかり言っている獅童といちゃいちゃプレイをしていて、両者の差に正直もう笑うしかない。恋人がいるのに獅童との日々も大切にしている由吾は、どんな理由を並べてもとんでもない浮気者なのは間違いない。愛火と獅童。どちらにも逆方向のベクトルでときめいているからね。

男の子と触れ合っていないと発作を抑えきれない獅童が要求する「性的なプレイ」はあまりに過激なものだけど、由吾に押されると途端ヘタレるところが彼女の可愛いところ。恋人の愛火よりも圧倒的に獅童の方が出番が多いから、幼馴染さんは魅力を伝えきれないところもあってちょっと可哀想かな。
しかしまあこんな二重生活がまともな訳もなく。危険な生活に終わりが告げられると、由吾の元から二人の女性が去って行った。当然といえば当然の結果ではあるけれど、その二人の気持ちを再び引き寄せるために取った行動と言葉は衝撃的。もう無茶苦茶。大切な女性はひとりでなければならない…そんな倫理観を吹っ飛ばした由吾は男として尊敬しつつ、「ほんとこいつクズだな!」とも思った訳です!(笑)