飼い犬にかまれ続けて

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「覇剣の皇姫アルティーナII」感想

覇剣の皇姫アルティーナII (ファミ通文庫)

覇剣の皇姫アルティーナII (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
黒騎士ジェロームとの決闘を経て、兵達の信頼を得た皇姫アルティーナ。
しかし、安息も束の間、蛮族が侵攻してくる。
皇姫軍は軍師レジスの采配で勝利するも、その情報を掴んだ兄皇子より、ヴァーデン大公国有する難攻不落の要塞を攻略せよ、との命令が下る。
皇姫軍の弱体化を狙った無理難題だが、従わねば反逆者にされてしまう。
そこでレジスは言う、無数の砲台への対抗策があると。
覇剣の皇姫と、読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー第2弾!

逆境を覆すこの展開!いや、燃えるねえ!戦記モノはこうでないと!
レジスを巡る戦いも、彼が活躍する度に激化していきこちらも楽しい。

蛮族の攻撃をただ退けるのではなく、今後アルティーナが躍進するための力にする。
先の先を見据えたレジスの采配。自信なさげな言動とは違い、ズバズバ読みが当たって怖いくらい。レジスの手腕を買う気持ちが分かる。こいつは単なる読書狂いなんかじゃない、それを証明し続ける。
蛮族と同盟を結び、順調な滑り出しに見えたレジスたちの元に下された無茶苦茶な命令。難攻不落の砦を落とすのは到底無理なため、命令を持ってきた査察官のご機嫌を伺おうとするも、横暴な査察官に感情を殺して対処できるほどレジスたちは大人になりきれない。そしてそんな大人になる必要もない。査察官をボコボコにして啖呵を切るアルティーナ格好良いね。でも一番格好良かったのは、査察官に襲われていたクラリスを助け出したレジスだろう。あかん、これはクラリスでなくても惚れてしまう。

査察官のご機嫌取りは不可能。こうなってしまえばもう前に進むしかない。策を備えたアルティーナたちは難攻不落の砦を攻略するため出立。レジスの考え出した作戦は、ある意味コテコテなものではあるけれど重要なのはアルティーナたちがどう活躍できるか、だ。司令官を一騎打ちで破るアルティーナの『強さ』は本物。砦に旗を掲げるアルティーナの輝きは決して失ってはいけないものだと感じさせる。
壮大な国盗りはまだ動き始めたばかり。レジスの心を掴む女性たちの戦いはクラリスが一歩リードかな。今後の展開が楽しみで仕方ないよ!