飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「真・魔王降臨!1」感想

真・魔王降臨!1 (このライトノベルがすごい! 文庫)

真・魔王降臨!1 (このライトノベルがすごい! 文庫)

〈あらすじ〉
平凡な男子高校生・藤城耕作は、ある日街中で美しい少女と遭遇する。
中世の貴人のようなドレスを身に着け、背中に黒い羽を生やしたその少女は、転生した魔王を捜して魔界からやってきたと耕作に告げた――。
ウェブサイトでの公開時には『レイン』と並ぶ人気を博し、書籍化したものの発売直後に出版社都合で絶版になった幻の作品『魔王降臨!』が、6年の時を経てついに復活!
大幅修正と書き下ろし中編を追加し、文庫2冊に再構成して登場!

『魔王モノ』はここ数年良く題材になるけれど、これが6年前…実際に書いたのはもっと前となると確かに先見の明があったのかな(笑)絶版になってしまった6年前の方を知らないので何処がどう変わったかは分からない。起承転結がハッキリした、安定感のある内容でした。

人が良い以外はこれといった取り柄のない平凡な高校生・藤城耕作は不良に絡まれ危機に陥っていた。その状況を救ったのが金髪の美少女エリシアル。人間界とは別の次元に存在する魔界でも屈指の実力者であるエリシアルは、主として慕う魔王がこちらの世界で転生したことを知り、やってきたという。とんでもない話に戸惑う耕作であったが、不良を蹴散らす際に見た超常現象は紛れもない現実。またエリシアルは転生した魔王を捜すため、耕作を半ば強引に従え同居することになる。

平凡な少年とは言うが、柔軟性に優れているのか。耕作よ、非現実的な状況を受け入れるまでの流れが速いぞ(笑)腕っ節が強い訳でもないのに、守るべき女の子のため行動できる耕作には好感が持てる…まああそこで動かなかったら主人公の資格ないですが。
死んだ魔王を父親のように想い、慕っていたエリシアルは強力な魔人ではあるものの、こと主のこととなると狼狽こともある。その辺りは普通の女の子なんだな、と。
耕作が実は転生した魔王…と思うところだが、ところがどっこい!違う人でした!という展開に。しかしそうなると耕作の存在意義が分からなくなってしまうので、思った通りの展開に戻ってくる。うん、この物語は意外性よりも安定感だよねえ。
始まりの物語といった構成のため、登場人物が出揃った次回からが本番かな。