飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「黒鋼の魔紋修復士8」感想

黒鋼の魔紋修復士8 (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
圧倒的な力を見せたギャラリナを逃がしたとはいえ、アーマッド一行は見事ロマリックの叛乱を鎮圧した。しかし妙に冷たいディーの態度の変化に、ヴァレリアはもやもやした思いを募らせる。そんな折、ビトーの神巫ソルグンナが亡命を望みアーマッドに逃げ込んでくる。国家間の信頼維持のためソルグンナを返還したい首脳陣の意向に反し、臆病な彼女を助けたいと考えるヴァレリアだが、その気持ちがディーと決定的な溝を生んでしまい……! 謀略疾る第8巻!

『神巫』としての責任と覚悟。
ヴァレリアは確かに成長してきているけど、根本にあるものは全く変わってないな。向こう見ずな性格は相変わらず周囲の人間を巻き込んで、流石に今回はルキウスも呆れていたのが印象的。

そんなヴァレリアに怒りを覚えているようで、本心では自分自身を殴りつけたかったディミタール。彼女の尻拭いのため奔走するディミタールの有能さ…と、いうか規格外の能力を発揮していると思うのだが。ヴァレリアなの世話役でいるのが勿体無いくらいであるが、チョンボばっかりする猊下はとっても偉い人でした。この事実を直ぐに忘れさせてくれるのがヴァレリアの凄いところである。

今回登場する『神巫』のソルグンナは命の危険を感じて亡命してきた臆病な性格の美女。初めは民を見捨てて国を出たソルグンナに否定的な感情を持っていたのに、彼女の境遇を知るや一転するのが非常にヴァレリアらしい。やはりこの娘がおバカさんですね。でもおバカはバカなりに、今回は責任と覚悟を持って自分のしたことをやり抜こうと行動していた。最初は顔を真っ青にしていたのに、やりきろうと行動する辺りがヴァレリアの「成長」なのだろう。ディミタールとの関係は成長するのか、どうか。コッチはまだまだ道のりが遠そうだ。