飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 (1) ―Time to Play― (上)」感想

男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 (1) ―Time to Play― (上) (電撃文庫)

〈あらすじ〉
 僕は、硬い床に背中をつけて横たわっている。水色で薄手のセーターを纏った彼女の両腕が、僕の首に伸びている。彼女の手は、とてもとても、冷たい。それは、まるで、鎖のマフラーでも巻かれたかのようだ。照明からは逆光になるので少し薄暗い、彼女の顔。彼女は泣いている。見開かれた大きな瞳から、セルフレームの眼鏡のレンズ内側にぽたぽたと涙を落としている。
「どうしてっ!?」。叫び声と共に、さらに強烈な力が僕の首に加わる。まるで痛くはない。そのかわり、頭の中で――、真っ黒な墨が一滴、音もなく落ちた。その黒い染みは、じんわりと広がり始める。
「どうしてっ!?」。彼女が再び叫んだ。どうしてこんなことになったのか――それは僕が知りたい。

『キノの旅』はだいぶ積んでるし、『アリソン』系列の物語は最初の巻以降読んでいないので、久しぶりに時雨沢さんの作品を読むな、と。この長文タイトルを見て、それだけで叩く人がいるけど、時雨沢さんの場合は、あえてやっている印象がある。

売れっ子高校生ラノベ作家の主人公、そのアニメに出演することになったクラスメートで声優の女の子のお話。衝撃的な展開が予告されていて、なぜそんなことになってしまったのか…ありえない展開に向かい、歩んでいくお話になっているが、大部分が主人公が「ライトノベル作家になるまで」の流れを話続けるもので、物書きになりたい人には参考になる……かはかなり疑問である(笑)

「書き方」というよりも「書けるようになるまで」の気持ちの変化などが多い。実践的な話、ではなく、物書きを目指す人が「目指すだけ」で終わってしまうメカニズムのようなものを説明している。これはもう時雨沢さんの体験談なのかな、と思うほど。そんな「こうして僕はライトノベル作家になり、ライトノベル作家として歩んでいる」という話が、あらぬ方向に行くのか…サッパリ分からない。

しかしこれだけは分かった。
ラノベ作家になると声優と結婚できる!(誤読)