飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「魔女は世界に嫌われる 2」感想

魔女は世界に嫌われる 2 (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
亡くした大切な人を生き返らせるため、旧ガルディア魔導帝国の皇都跡地を目指すネロとアーシェ。“重罪人の息子”と“魔女の娘”として、国から追われる身である二人は、人目を忍ぶ旅を続ける。夜は一枚の毛布にくるまって眠り、共に困難を乗り越えることで、二人の絆は深まっていく。旅の途中、人買いに追われる少女カルロッタや、アーシェを魔女だと知りながら求婚する不思議な青年ハンスと出会う。彼らとの出会いを経て、アーシェはこの世界の残酷な側面を知る。外の世界への憧れが色褪せていくなか、アーシェが見つけた希望とは?

1巻の表紙とはガラリと変わって、明るい外の世界の温かさを表現したイラスト。
特に前は不安げなアーシェの表情だったのに対し、今回は笑顔で見上げていて、何か救われたような気持ちになる。

初めて目にする外の世界。
何を見てもアーシェには眩しく映り、無邪気な彼女の心を擽るのだけど、でも世界の全てが綺麗で優しい訳ではない。それどころか、世界は綺麗で優しいものばかりではないことを知っていき、アーシェは成長していく。そしてそんなアーシェに恋をするネロは、様々な感情に揺さぶられながらも、最後には地に足をつけて、アーシェの手を引き守り通そうと奮闘する。ネロとアーシェ、小さな二人は大きな旅を経て強くなる。

今回もまた非常に分かりやすい物語の構成で、ネロが、アーシェが、いったい何を想い、何を悩み、何を成そうとするのか、手に取るように分かる。
これが小木さんの持ち味なんだろうな…と、感じ、二人の次なる旅の続きを読みたいと心から欲する。