飼い犬にかまれ続けて

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「ゼロから始める魔法の書」感想

ゼロから始める魔法の書 (電撃文庫)

〈あらすじ〉
そんな時代、人々に”獣堕ち”と蔑まれる半獣半人の傭兵がいた。日々、魔女にその首を狙われ、人間になることを夢見る彼だったが、ある日森で出会った美しき魔女がその運命を変える。
「――戻りたいのか? 人間に。だったら傭兵、我輩の護衛になってくれ」        
ゼロと名乗る魔女は、使いかた次第で世界を滅ぼす可能性すらある魔法書【ゼロの書】を何者かに盗まれ、それを探す旅の途中だという。傭兵は、ゼロの力で人間にしてもらうことを条件に、大っ嫌いな魔女の護衛役を引き受けるのだった……。
2人は【ゼロの書】のカギを握る魔術師 “十三番”を追って王都を目指すのだが、すでにある人物の術中にはまっていて――!?
禁断の魔法書をめぐって絡み合うそれぞれの思惑!
気高き魔女と心優しき獣人による極上ファンタジー登場!!

さて電撃小説大賞発売の時期になりました。今回は第20回ということもあり、公式サイト等、結構な力を入れて宣伝してますね。第20回という記念すべき回に大賞を受賞したのが、この『ゼロから始める魔法の書』です。イラストを見ただけで「ファンタジー世界」と分かる作品が大賞受賞…胸が高鳴るのを抑えられません。

魔術が存在し、魔女が忌み嫌われる世界。
そんな世界で普通の人間の両親から半人半獣という姿で生まれた『獣堕ち』の傭兵は、魔術の贄に使えるという理由でその首を魔女に狙われていた。逃走の最中、傭兵はもうひとりの魔女に出逢う。見事な銀髪とその美しい容姿に目を奪われた傭兵は、銀髪の魔女…ゼロとある取引をする。何者かの手に渡った世界を滅ぼす魔法書『ゼロの書』を探す手助けをする見返りに、傭兵を人間の姿に戻して上げる。普通の人間としての生活に憧れる傭兵は、ゼロの護衛を受け二人の旅はこうして始まった。

タイトルの略称は「ぜかまし」で異論はないですよね。決して表紙イラストを見て決めた訳ではありません。ちゃんとタイトルから文字を順番通り取って決めたんですよね。島風、出撃しまーす!(ぉぃ)

冗談はともかく、まず言いたいのは「大賞受賞に納得」です。いえ、別に異論を唱えたいとか、そういうことではないんですが。読み終わって感じたこの満足感…これはみんなに味わって欲しいな、と。

世界を滅ぼしかねない内容が書かれた魔法書を探すため、それを書いた魔女ゼロは獣の傭兵を雇い、旅に出る。しかし穴倉生活が長ったせいで世間を知らないゼロにやきもきし、世間一般がイメージする「悪い魔女」から程遠いゼロの姿勢に、傭兵は次第に心を惹かれて行く。ちなみに半人半獣の傭兵の名前は本作に登場しないため、作中では基本「傭兵」と呼ばれている。決して名前をもったいぶっている訳ではないです。

そんな二人が織り成すストーリーは非常に分かりやすく、スルスルと頭に文章が入ってくる。ゼロと傭兵を中心としたキャラクターたちに無駄な存在が一切ないことも読みやすさに力を加えていると思う。ストーリーライン上を存分に動き回る魔女たちと獣の傭兵の物語は完成度が高く、唸らずにはいられない。