飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「さくらコンタクト route A 小河桃子」感想

さくらコンタクト route A 小河桃子 (このライトノベルがすごい!文庫)

〈あらすじ〉
 高校生・桜木春彦は今日も幼馴染の桃子に起こされる。「お前カーチャンみたいだな」「誰がカーチャンよ!?」
 新学期──春彦は、桃子と引きこもり妹・咲耶との登校途中、花蒔町に伝わる《桜の伝説》を成就させ、その御利益でモテモテのフラグ体質になってしまう!直後、桃子が《未来予知》という中二能力に覚醒し、春彦のギャルゲ物語をジャンルごと終了させてしまう!「庶民サンプル」シリーズの七月隆文が贈るフラグ乱立ラブコメ!衝撃の展開<ヤマ>と結末<オチ>に刮目せよ!

七月隆文さんと日日日さんがシェア・ワールドするラブコメ劇。そういえば日日日さんの作品には触れる機会が多いが、七月さんの作品は久しぶりに読むなあ、と。

桜木春彦にはいつも一緒にいる幼馴染の少女・小河桃子がいる。恋人ではなく、家族に近い存在だと感じている春彦は彼女と過ごす中、「恋をしてみたい」という漠然とした想いを抱いていた。そんな春彦の心を読み取ったかのように、恋が必ず成就すると言われる伝説の桜の木が春彦の目の前で開花。その日を境に春彦は女子にモテ始める。そして変化は春彦だけではなく、桃子にも起こり出す。

始まりこそ同じだが、その後の展開はそれぞれの作家の色が出る作りになっているようで、七月隆文さんが担当するこの「小河桃子ルート」はラブコメにちょっとダークな展開を加えた作品には仕上がっている。

いやー、幼馴染って良いですね。勿論、女の子限定です。テンプレだろうが何だろうが可愛い女の子幼馴染は可愛い!男の幼馴染とか……もうお腹いっぱいです…(実体験)

鈍感主人公とツンデレ幼馴染という、非現実にはあり触れた設定のカップル。まあカップルであることを認めないとは思うけど、何処からどう見てもイチャついているようにしか思えない。伝説の桜の木が開花したことにより、急にモテ始める春彦。それを見て心中穏やかではいられない桃子に突如発現した「予知能力」…それは二人の恋を引き裂くものになるのか、はたまた引き寄せるものになるのか。単なるラブコメとは違う、ミステリー要素を加えた心地良いラブコメを楽しんで頂きたい。