読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「路地裏テアトロ」感想

路地裏テアトロ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

〈あらすじ〉
川越の路地裏に佇む、古ぼけた小さな映画館–テアトロ座。
出不精、怠け者、モラトリアムの権化と謳われた大学生の俺–斎藤三郎太は、
同級生に強引に連れていかれたテアトロ座で、受付にいた少女の蒔村夏姫に恋をしてしまう。
映画などほとんど観ていなかったが、彼女と近づきたい一心で
アルバイトを申し出た俺は、テアトロ座や映画をとりまく意外な現状に直面し–。
映画と映画館を愛するすべての人に贈るシネマティック青春ストーリー。

映画館。学生時代は良く行ったのだけど、ここ最近はご無沙汰になってるなあ。レンタルに比べるとそりゃあ高い金額になるけど、大きなスクリーンを通し大人数が同じ感動を共有できる空間、というのは早々あるものではないから。映画館という独特な空間を味わうためにお金を払っているんだよね。

外に出るのが嫌いな怠惰な大学生・斉藤三郎太は、大学の友人に無理矢理連れてこられた小さな映画館…テアトロ座。これまで映画館に足を運ぶことなど滅多になく、映画にも興味のない三郎太であったが、受付にいたひとりの少女に一目惚れする。どうにか彼女・蒔村夏姫とお近づきになりたい三郎太は、テアトロ座でアルバイトを始めることになるのだが……。

これこそ「大学生の見本」と太鼓判を押したくなるほどやる気のない毎日を送っている三郎太。そんな彼が変わるキッカケとなるのは、古くて小さな映画館・テアトロ座で働く女の子への恋。夏姫に気に入られようと、興味もないのに映画館の受付(雑用)のアルバイトを買って出た三郎太は、睨みを利かせる経営者であり夏姫の祖父でもある五郎に怯えながら、映写技師になりたいという夏姫のひたむきな想いに更に惹かれて行くことになる。

中小映画館の不況と時代の波はテアトロ座にも直撃し、一年を待たずに閉館するという。初めは不純な動機でアルバイトをやり出した三郎太であるが、夏姫の想い、五郎の想い、テアトロ座への想いを深める内に、この小さな映画館を観客で一杯にしたい想いに同調する。目標に向かって駆け抜けるこの青春。人は恋で変わる。三郎太と夏姫がテアトロ座で送る心地よい青春がここにある。