飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「クライシス・ギア 4 運命の歯車」感想

クライシス・ギア 4 運命の歯車 (集英社スーパーダッシュ文庫 み 2-8)

〈あらすじ〉
「黒の使徒」事件は解決した――表向き。だが逃げたセブンの行方や、「黒の使徒」創始者・和泉田幸雄を殺した犯人など、謎は残されたままだった。霞耶の助言を受けて、全ての真相を知る可能性がある「迦嶋田家」の当主と接触する方法を探し始めた慎。その過程で慎は、六大財閥「雨牙家」の令嬢である雨牙・K・オーレリアと出会う。強気でお嬢様然としたオーレリアに振り回される慎。だが、やがて2人は特防・財閥・そして日本の暗部「迦嶋田家」を巻き込む強大な陰謀に搦め取られていき……!? 理不尽な闇を切り裂き少女を救え! 本能の刃が紡ぐバトルアクション、灼熱の第4巻!!

ちょっと待って欲しい。確かに表紙の慎復活は嬉しい。だが…まさか、新ヒロイン…だと…!?
癒し系可愛い紗々良。クールビューティー幼馴染の霞夜。無邪気なロリ娘の璃菜。元気なお姉さん柚。そして新たに加わるのはツンデレハーフお嬢様のオーレリアちゃんですよ。これはご褒美ですね、そうですね!

セブンこそ逃してしまったものの『黒の使徒』を壊滅させることに成功した慎たち。しかし未だ解決しない謎も多く、その裏に潜む迦嶋田家を炙り出す必要があった。早速、迦嶋家と接触するため動き出す慎であったが、その最中、ひとりの少女と事故のような出会いを果たす。雨牙・K・オーレリア。雨牙家が迦嶋家に乗っ取られようとしている…そう危惧し、迦嶋家に抵抗しようとするオーレリアであるものの、一族からは鼻つまみ者扱いされていた。そんな状況に置かれているオーレリアは突如、慎の通う高校に現れると、強制的に慎を自分の警護役に付かせることを宣言する。

迦嶋家と対決しようとする慎。迦嶋家から家を守るためひとり戦うオーレリア。4巻から登場のオーレリアがある意味で一番ヒロインらしいポジションとして登場…と書くと紗々良に怒られそうなのでやめましたごめんなさいメインヒロインは貴女様です。

孤独に負けず、決して曲げることのない芯の強さを持つオーレリアではあるが、敵はあまりにも強大だ。そこで引き込むことにしたのが、『黒の使徒』を打ち倒した慎。無無理矢理警護役にされ、紗々良から引き離されたことは不本意であるけれど、自分の両親を殺した犯人に近づくためにはやはり迦嶋家との接触・対決は不可欠なので、二人の目的は一致している。とはいえ、ある種の「共犯関係」である慎とオーレリアの関係に対して不安にならない紗々良ではないような。結構、蚊帳の外に置かれていたから余計にね。奇妙な余裕を見せ、冷静に状況を伺っていた霞夜さん…そんな正妻のような余裕はないと思いますよ?

今回…あるいは今回「も」、ボス役のポジションとして登場する迦嶋家誠弥。相変わらずねちっこくて嫌な奴ですな。そして小物感も相変わらず。蒼狼以外、初の第一種エージェント、正確には「元」だけど…影縫と、腹立つ裏切り者のイケメンエージェント住吉を守り手とする誠弥を打とうとするのは、俺たちの慎と、迦嶋家との因縁を断ち切るためにも戦おうとする璃菜…そして璃菜さん清々しいくらい強くて笑える。誠弥にしても住吉にしても、腹立つ野郎がボッコボコにされるのは気持ちが良いな。

最後に登場した迦嶋田弦一の大ボスの風格。彼が明かした慎の過去に繋がる事実と、どうにもきな臭い特防の中枢を襲うセブン「たち」。慎の仇と思われる人物と、その謎の人物と行動を共にするセブンの思惑とは一体なんなのか……ところで最後にデレたオーレリアさんの活躍は次の巻でも拝めるんですかね?…あ、はい、紗々良さんそう睨まないで下さいごめんなさい!