飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「蒼井葉留の正しい日本語」感想

蒼井葉留の正しい日本語 (ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
海外転勤となった両親と離れ、ライトノベル作家になるという夢を抱えたまま、高校入学と同時に一人暮らしをはじめた久坂縁。そんな彼が引っ越し当日に出会った美少女は、辞書と正しい日本語を愛しすぎる変人で!?

文章は書けば書くほど上手くなる、というの、アレ嘘です。ただ書いてるだけでは上手くなりません。勉強も含め、しっかり「上手くなりたい」意識を持たないと駄目です。好き勝手に書いてるだけではいけない。ソースは僕。はい、そんなことはみんな知っていましたね!(やけくそ)

両親の海外転勤に引っ張り回されていたオタク少年の縁。ライトノベル作家になる夢を実現させるため、日本にやってくた縁は母親の卒業した高校に入学する。変わり者が多いと噂される「鳩居寮」の一員となった縁は変人たちからの洗礼を受けることになるのだが…しかし一番の変人は縁と同じ新入生…正しい日本語を愛する女の子・葉留だった。

凄い日本語の勉強になる。でもこれ絶対何の役にも立たないよね?

ライトノベル作家を夢見る縁と、頭の中に「正しい日本語の使い方」全てが入っている可笑しな少女・葉留を中心に学園内で起こる不可思議な事件を解決していく。竹岡さんらしいミステリー風味の青春小説。

中二病炸裂の文章で綴る縁の作品に、赤ペン先生を入れる葉留のコンビは文章力を鍛えたり、投稿作のブラッシュアップという意味合いでは素晴らしいコンビではあるけれど、純粋な葉留の中二病用語に対する質問の精神攻撃にグサグサやられる縁が哀れだったりするのが笑える。日本語の素晴らしさを伝えつつ、物語を楽しめるこのそつのないこの作りはベテラン技だよなあ。