飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1)」感想

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
バスケの強豪校で練習に打ち込んでいた詩也。けれどある日、彼は"人ではないもの"になってしまった……。人を遥かに超える身体能力を得たため、バスケも続けられず転校したその先で、詩也はマリア様を思わせる綺麗な先輩に出会い、告げられる。「わたしと、おつきあいしてください」――つれていかれた先は演劇部。そこで詩也は、何と先輩のパートナーとしてドラキュラを演じることになってしまい……!? ドラマティック青春ノベル、ここに開幕!!

野村美月さんは…その…どんだけの速度で執筆してるんですか…(震え声)
野村さんの作品、今回も「次回予告」まで用意されていて読者としては嬉しい演出ではあるのだけど、同時に執筆速度も気になるところではあります。

バスケ強豪校に通い、バスケを愛して止まない原田詩也。しかしある日の部活帰り、詩也は通り魔に刺されてしまう。今まさに死のうとしている詩也の前に現れたのは、ひとりの美しい少女。詩也は彼女によって「人ならざる存在」に変えられてしまうのだった。尋常ではない身体能力と同時にある発作を起こすようになった詩也は、バスケを諦め転校をすることになる。転校先…海星学園で目立たない学園生活を過ごしていた詩也であるが、長身の美少女・綾音に誘われ、演劇部で彼女のパートナーを務めることになるのだが……。

吸血鬼になってしまった少年。常識では考えられない身体能力を手に入れたものの、代償として人としての日常を失うことになる。

仲間たちと愛するバスケもできず、また吸血したい欲求に情動を揺すぶられ、人生に絶望し始めていた詩也。彼の心を救うのは、長身巨乳の美女先輩・綾音だ。学園に四つもある演劇部のチーム。その内のひとつ『レグルス』トップ女優を期待される綾音のパートナーに選ばれたことから、二人と、その周囲を取り巻く人々の運命が転がり行くことになる…というのは大まかな話の流れで、野村さんらしい青春劇を展開してくれる。つまり安心の内容です。吸血鬼になってしまって絶望していた詩也が、新たな喜びを見つけ、みるみる元気になっていくのが良い。野村作品は「男」の見せ方が上手いよね。男でもこの男を好きになるわ。勿論、ヒロインである綾音も思い込みの激しい天然娘でこれから色々ドジ踏んでくれそうで楽しみだし、他ヒロインもこれから大いに場を混乱させてくれそう(褒め言葉)