飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「神楽坂G7 崖っぷちカフェ救出作戦会議」感想

神楽坂G7 崖っぷちカフェ救出作戦会議 (集英社スーパーダッシュ文庫 み 8-1)

〈あらすじ〉
七年ぶりに故郷、神楽坂に帰ってきた高校生・小森英介(こもりえいすけ)。英介は早速、憧れの女性だった浅野真弥(あさのまや)との再会を果たすため、彼女が経営する「カフェ・GREEN」へと向かう。だが真弥の身体には代々浅野家の子に受け継がれる“驚異の第二次性徴”によって、ある恐るべき変化が……そしてその影響で彼女のカフェは閉店の危機に陥っていた! 愛しの真弥姉を救うため、英介は幼馴染のチャラ男・仙川銀太(せんかわぎんた)に小松原京子(こまつばらきょうこ)、藤井彩実(ふじいあやみ)らと共に「カフェ・GREEN」の再興に立ち上がる!!

声優さんのことは良く分かりませんが、話題になっていたので読みました。「はぁ?声優がラノベだぁ?どれ、読んでみるかな」みたいな感覚…を抱かずに読めたのは良かったのか、悪かったのか…いや悪くはないか。あーだこーだ言う前にとりあえず読もうの精神は大事。

幼少期を過ごした神楽坂に帰ってきた高校生の小森英介。七年振りの神楽坂、七年ぶりに再会する幼馴染の親友・銀太。変わったような、変わっていないような、神楽坂の街と親友に懐かしい想いを抱きながら、英介は銀太に連れられてある店を訪れる。そこは幼いあの日、四歳年上の憧れの女性だった浅野真弥が経営するというカフェだった。幼い容姿だが男勝りの京子、ほんわか天然娘の従妹・彩美といった幼馴染たちとも再会した英介の前に、ついに真弥が現れるのだが、彼女は浅野家の遺伝的呪いによって世にも恐ろしい声を発するようになってしまい、そのせいでカフェは閉店の危機に瀕していた。それを見かねた英介たちは協力してカフェ・GREENを救おうと動き始めるのだが……。

七年振りに再会した幼馴染と一緒に、憧れのあの女性のカフェを立て直すためにあの手この手を尽くす青春劇。異能…とまでは呼べないまでも、予言めいた直感のような、おかしな力を持った彩美や、浅野家の奇妙な呪いといったものは登場するが、特にバトルとかはなく、結構平穏な感じでストーリーは進行していく。

基本、何か策を巡らせても最終的には真弥のガラガラ声が邪魔をして失敗に終わる…それならば逆にその怖い声を利用してやれ、と閃くのが客寄せの「戦隊モノ」である。それぞれハマり役の戦隊のカラーを纏い、真弥が吹き替えた敵と戦い人気を博す。地味ではあるものの読みやすい文章で綴っており、幼馴染の仲の良さ…そこから生み出される連携に青春を感じる、のがこの物語の楽しみ方だと思う。書き手が声優さんとか、そんなことは気にせず楽しめる作品かな、と。