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飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ガンズ・アンド・マジック ―黒き鎧と幼き女王―」感想

電撃文庫 ライトノベル 新作

ガンズ・アンド・マジック ―黒き鎧と幼き女王― (電撃文庫)

〈あらすじ〉
 魔獣の群れに襲われ、危機に瀕した亡国の女王イーリス。しかし、その時、突如空から《黒き鎧》が現れた。イーリスにとっては見たこともない杖――アサルトライフルと、巨大な剣――超硬合金刀をを持ち、鎧の男は魔獣を瞬く間に打ち倒す……!! 彼の名は異世界の兵士・レン。彼と、彼の相棒であるAI・ミネルヴァは、自分たちの世界でも存在していた魔獣と戦うために生まれた特殊な戦士だった。魔獣という共通する敵に2つの世界の関連性を感じたレンは、イーリスたちを助けながら、異世界の探索を開始する……!

人によりけりだろうけど、僕は楽しめた。好きだな、こういう話。起承転結のハッキリした正統派の物語。ネコメガネさんの素敵なイラストもあり、試しに読んで頂きたい一冊です。

魔獣の脅威に晒された人類が生み出した機械仕掛けの兵士『アーガス』。人体改造され、強化外骨格の装甲服を纏い、最新型のアサルトライフルを操り、AIの補助を受ける最強の兵士…その一人である青年・レンは爆発と共に目を開くと、そこは見知らぬ場所だった。混乱する中、魔獣に襲われ窮地に陥っていた少女を助け、そして知ることになる。魔獣という共通する敵がいるにも関わらず、レンの世界とは全く違うもうひとつの世界の存在を。魔獣の大群によって国を滅ぼされた少女…ヴァルカ王国女王イーリスに同行することになったレンは、行く先で元の世界と異世界との因果を目撃する。

機械仕掛けの最強の兵士が飛ばされたのは、剣と魔法の正統派ファンタジーの世界。魔獣という共通の敵の脅威に怯える人たち…元の世界でも魔獣を圧倒していたレンにとっては魔獣の数十体など敵ではなく、異世界の人にとっては魔法よりもよっぽど魔法らしい兵装を活かして戦う姿の無双っぷりが気持ちが良い。感情表現の苦手なレンが当然のように魔獣を倒し、自分自身あるいはイーリスに敵対する者を制圧していくのが何ともシュールというか。

純粋な女王さまイーリスとの交流を通じて、機械のような心が氷解していく流れを文庫本一冊という制限の中で上手く処理していると思う。機械ながらユーモアのあるAIミネルヴァとの掛け合い漫才のような会話はテンポが良く、思わず笑ってしまう。正統派と言うだけあって、最後の敵は予想通りの存在で、レンの最強に対するにうってつけの相手である。シリーズ化を想定しているのだろうけど、悲しいかな、売り上げ次第で今後続きが出るかどうかが決まるような…曖昧な区切りで終わっているのが残念だったかな、と感じた。