飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「黒鋼の魔紋修復士11」感想

黒鋼の魔紋修復士11 (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
カリン、シャキーラを一蹴しアーマッドを去ったオルヴィエトとルキウス。重鎮であったリヒテルナッハ家の罪を問う声は大きく、連座としてディーも獄中の身となってしまう。誰よりも信頼していたふたりを失い捨て鉢になるディーだが、彼の下を訪れたカリンから、同盟各国で起こる破壊活動にルキウスが加担していること、さらに自分への恩赦のため、ヴァレリアがイサークと婚約するという噂を知らされる。気持ちの揺らぐディーは決死の行動に出るが……!

「ディミタールとヴァレリアのラブロマンス」ようやくその道を走り始め、ラストに向けて盛り上がってきたな、と。この物語運びの安定感・安心感は流石。

オルヴィエトとルキウスの裏切り……連座制で処刑されようとするディミタールを救おうとする人々の想いが見えた良い話だった。中には打算もある人がいるけど。それと今回の騒動を通して、イサークという人間に対する誤解が解けた。もっと冷徹な人間だと思ってました。ベッチーナとの関係は果たしてどうなることやら。

ギャラリナ陣営にオルヴィエトたちが合流、「戦争」という分かりやすい構図にはなったけど大きな謎も残っているからどう物語を落とすのか。ルキウスの変わりようも気になるし、ディミタールと再度の対峙はどんな結末になるのか楽しみではある。