飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「マンガの神様」感想

マンガの神様 (電撃文庫)

〈あらすじ〉
学校の廊下で美少女・楪葉とぶつかったその日から、高校生兼新人漫画家の僕の毎日はトラブルだらけ。
え? 彼女は実は僕の憧れの人気漫画家で、マンガみたいなトラブルを巻き起こす“マンガの神様”に憑かれてるだって!?
確かに楪葉は存在自体がマンガに出てくるような美少女だし、僕はマンガが描けなくなる人生初のスランプに陥るし、転校生がやってきたと思ったら僕の初恋の女の子で、しかも隣の席になるし、あまりにもベタな展開が続いている……ま、まさかこれが、“マンガの神様”の力……!! 
だけど僕はそんなもの、絶対に認めてなんかやらない。そして楪葉、必ずキミのマンガに勝ってみせる!!!
美少女漫画家のマンガみたいな運命に巻きこまれた僕の、明るく楽しくちょっと悩める、ハッピー青春ラブコメディ!

「マンガの神様」がいるのなら「ラノベの神様」もいるはずです!寧ろ僕がラノベの神様になりたい!……あっ、誰もそんなことを聞いてませんね。先月に引き続き、電撃大賞作品になります。

いやー、手堅い。最初から最後まで、「お約束」を武器にお手本のような作りで展開されるこの青春ラブコメ。高校生漫画家の主人公・伊織と、超人気漫画家のヒロイン・楪葉はそれぞれの生き方、夢に対する想いを対立させていて、ぶつかり合いながら仲を深めていく。安心して読んでいられる……が、もっとドキドキする展開、盛り上がる場面があっても良かったかな、とも思う。贅沢な想いですが。個人的には最初、自信家の伊織の言動が鼻に付いて好きになれなかったのだけど。まあそれも物語を展開する上で大切な「自信」だったから良いんだけどねえ。