飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ザ・ブレイカー (3) 虚ろの神は人世を狂わす」感想

ザ・ブレイカー (3) 虚ろの神は人世を狂わす (電撃文庫)

〈あらすじ〉
林間学校を楽しむ葉台高校の生徒たち150名以上が、まとめて拉致される事件が起こる。犯人は、武装した大勢の信徒を率いる、狐面をかぶった少女。
「我が名は“生虚神”。ヒトの未来を担う神でございます」
そう名乗る狐面の彼女こそ、凶悪なテロ計画を密かに進める謎多きカルト教団・黒陽宗の教祖。拉致された学生、そしてその中にいるカナタやリセも、否応なく、テロへの荷担を強制されるのだった……人気サスペンスシリーズ、第3弾!!

3巻です。前作『ラストセイバー』が3巻完結だったので、妙な緊張感を持ってこの3巻を読みました。しかもこれまでの事件の黒幕とされる宗教団体が登場とあって更にドキドキ心配しましたが……いやー、良かった。シリーズはまだ続きますよ。嬉しいねえ!

政界に影響力のある宗教団体がテロを画策、林間学校にきていたカナタたちを拉致し、テロに加担されようとする。窮地の中、カナタは宗教団体……そこで神と崇められる謎の少女・生虚神の真意を読み解こうと思考を巡らせる今回のお話。

ブレないカナタ、リセの兄妹は好きだなあ。自分の置かれた状況の中で、誰も救うことができ、何を切り捨てるべきなのか。その行動を「冷酷」と一言で終わりにしてしまう訳にはいかない。それを誰よりも分かっているのがリセで、だからこそ彼女は大切な兄のためにも信念を曲げずに、言葉で戦いを挑んでいく。ただ状況だけは冷酷に経過していき、犠牲者を生んでいくのが辛くはあるが、この無慈悲なところがこの作品の読みどころだと思っている。

終わりの胸糞の悪さ。ついに姿を現したエリス。カナタの読みを上まるエリスとのバトルはこれから始まる……。