飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「出番ですよ! カグヤさま」感想

出番ですよ!  カグヤさま (GA文庫)

〈あらすじ〉
「わらわはカグヤ・∀・ハインライン。月を統べる女王だ―― 元 、な」
ある日、支倉結太の前に流れ星とともに落ちてきた美少女、カグヤ。
『黒科学』の使い手である彼女は、月での失政により女王をリコールされて地球へと追放されたのだった。
カグヤをどうにか月に送り返そうと決意する結太。それには善行を積まなければならないというのだが。
目標の善行値:100
現在の善行値:マイナス530000
「何万光年かかるんだよ!?」
「光年は時間ではなく距離だぞ」
そんな彼らの前にカグヤを狙う月からの暗殺者が現れ――
月の少女と地球の少年が出会い、すごく不埒な竹取物語が始まる!

お久しブリーフ!
またまた更新まで間が空いてしまいました。普通に「お久しぶり」というのも飽きてきたので趣向を凝らした文章にしてみた訳です。ちなみに私はトランクス派。『ドラゴンボール』のお話ですよ。私のラノベ力は530000だ。

15歳の平均身長を下回り、伸び代もどうやらなさそうなちっこい男子高校生・支倉結太は、ある夜、空から隕石のごとく落ちてきた美少女・カグヤと出逢う。結太の好みどストライクのカグヤは、月の女王……だった。失策から女王を解任され、地球に追放されたカグヤは、善行を積まないと月に還ることができないのだが、その道程は果てしなく遠い。なぜかカグヤに気に入られた結太は、行き先のない彼女を家に連れ帰ったことから奇妙な同居生活がスタートする。

と、いう訳で『這いよれ!ニャル子さん』が完結してしまい、悲しみに暮れていた万太さんファンの皆さま、待ちに待った新作です。

身長が低いことがコンプレックスの可愛い主人公と、イケイケGOGOの破茶滅茶な元・月の女王さまが織りなすコメディ要素強めの本作。「貴女さまは痴女ですか?」と問いたくなるくらい押しの強いカグヤにグイグイやられ(誤解を招く表現)、持てる理性を総動員し抵抗する結太の姿はヒロインよりもヒロインらしい。主人公(♂)が可愛いのはもはやお家芸ですかね。結太とカグヤの掛け合いが面白くてどんどん読めちゃうこの感覚好き。

逢空万太作品の魅力。それは息子を弄る美人のお母さまの存在。本作のママも息子を容赦なく弄ります。外堀はあっという間に埋められました。四面楚歌だよ、ユータくん。いや、少年よ、欲望に負けていいんじゃないか。

コメディのほか、スケールのでかいバトルパートも読み応えあり。謎の超技術『黒科学』を駆使して(?)月の刺客やら侵略者やらを千切っては投げ千切っては投げします。正直、命がいくつあっても足りやしねえ! 巻き込まれてそれでも生きてる結太は運が良いのかそれとも他に理由があるのか……はい、主人公補正です。これからのシリーズ展開に期待したいですな!