飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?」感想

楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃? (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
庶民から一転、玉座を継ぐことになってしまったルドヴィーク。
さっそく「国王の一番大切なお仕事」として告げられたのは、
「大陸で一番高貴な血筋のお妃様を迎えること! 」
ところが現れた美しい花嫁は、彼の顔を見るなり呟いた。
「キモイ……」そのまま王妃となった彼女と冷戦状態に突入するルドヴィークだったが、
実は王妃にはある秘密があり、それを知った彼は、彼女とひとつの契約を交わすことに……。
ファンタジー・ハーレム(予定)コメディ、開幕!!

野村美月×竹岡美穂コンビの新作とあっては読まない訳にはいきません。この期待感。その期待に応えてくれる胸が高鳴るスタートの物語でした。

城下町で服屋の若旦那をしていたルドヴィークは、亡くなった国王が市井の女性に生ませた子供であることを告げられ、なんと王様になってしまう。少なからぬ貴族の反感を封じるため、侍従長アーデルハイドはルドヴィークに「大陸で一番高貴な血筋のお妃様を迎え、後ろ盾を得る」ことを提案され、本人の意思とは無関係に結婚することになる。そのお相手となるのは大国のお妃様・カテリナであったが、初対面で「キモイ」と言われた挙句、結婚してもその後は何を語りかけても釣れない態度を取る。カテリナに嫌われたと思ったルドヴィークは、憂さを晴らすため城下町に繰り出すのだが、そこである女性と出会う……。

これがルドヴィークとカテリナの単純な「恋の物語」であったならば、これからどうなるのか……ドキドキ高まる期待感を得られなかったと思う。そうです。この物語は「恋の物語」ではあるけれど、かなーり拗れることが予想される「恋の物語」となるのです。

始まりの物語としては素晴らしいスタート。「楽園の主になれるが、七番目だけはおまえのものにならない」という謎の予言を受けるルドヴィーク。カテリナの秘密を知り、「同志」となった(させられた)ルドヴィーク……結婚はしているがカテリナの心は手に入らないと知り、それどころか「国王にふさわしい愛人を作ってあげる」宣言までされ、なるほど、これはこれから面白くならない訳がないな、と確信。1巻ごとに登場するルドヴィークの愛人候補=ヒロインとの恋の物語が始まる。

タイトルのナンバリングは愛人の順番を表しているのだろうが、これが七番目になった時、果たしてどうなるのか。正妻カテリナとの関係もどうなるのか。次回はメイドさんがヒロインですか。まあご主人様が手を出す相手の定番はメイドさんですよねー。