飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「Lady!? Steady,GO!!」感想

Lady!? Steady,GO!! Special Edition (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
僕、静目圭には一つ年上の幼馴染みがいる。僕がセンパイと呼ぶその彼はとても優秀だ。できないことは皆無だと言い切れるほどに。最高の身体能力に、最高の知力に、最高の容姿。超巨大複合企業《SANADA》の次期当主になるべく、幼少時から特殊な環境で教育を受け続けたセンパイ。しかしその彼には、残念ながら常識が皆無だった!
そんなセンパイこと真田燐之介と、その教育係として日々奔走する僕の、後継者争い本格参戦への幕が今上がる――!!

買ったものの随分と積んでしまっていたのでそろそろ着手。あれ……これバーコードがない、と思ったらスペシャルエディションとな。なるほど、知らずに買ってた。(素)

高校生・静目圭の一歳年上の幼馴染である真田燐之介は頭も顔も良く、運動能力も高く、更には財閥の息子と文句のつけようのない優秀なセンパイ。ただしかし、一点、センパイにないものがある。それは「常識」であった……そんなセンパイのお目付役的として日々一緒に過ごす圭であったが、燐之介の実家である大企業の跡目争いが始まるのだった。

大人気作品『バカとテストと召喚獣』後の新作となります。上手い。とにかく上手い。流石と唸るほど。でもそれだけにモッタイナイと感じる。

あくまでも個人的に感じていることだけど、まずはキャラクター配置。基本的には主人公の圭と、センパイの燐之介の二人が夫婦漫才のようにボケツッコミをしながら進行する。そしてサポート的な立ち位置にいるオットリした燐之介の同級生・景虎。イケメンたちの友情……ヒロイン(?)である燐之介の妹・華凛の影は薄い……うむ、見事な男たちを中心に物語が構成されておる。いや、その作り方が悪い、と言っている訳ではない。可愛い女の子を一杯配置しろ、と言いたい訳でもないのだけど……読んでいて楽しくないのよね。ワクワクしないというか。その感覚が終始付きまとっていた。

それと物語の流れ。壮大な物語の始まりの物語……ということなのか。少なくとも1冊で完結になることはない人気作家の1巻なので、話が見えてくるまでがちょっと長かったな、と。特に圭が虐げられている場面は読んでいて置いてけぼりにされている気持ちになった。

とりあえず言っておくのが批判したいのではなく、全てはモッタイナイ、もっと面白くできる力があるのに……という思いから書きました。もっと男の子も楽しめる物語設定を味わいたい思いはありました。はい、終わり!