飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「メロディ・リリック・アイドル・マジック」感想

メロディ・リリック・アイドル・マジック (ダッシュエックス文庫)

〈あらすじ〉
東京都沖津区―国民的アイドルグループ・LEDに叛旗をひるがえした女子高生アイドルたちがしのぎを削る街。高校入学に合わせて学生寮に入った「吉貞摩真」はそこが沖津区アイドルたちの根拠地であることを知る。しかし彼にはアイドルを好きになれない理由があった。一方、同じ寮で暮らす「尾張下火」は学校一の美少女「飽浦グンダリアーシャ明奈」に誘われ、アイドルグループを結成する。しかし彼女にはアイドルにまつわる暗い過去があった。言葉にできない二人の秘密が交錯するとき、アイドルの持つ真の力が明らかになる。メロディアスでリリカルなアイドル・熱血ラブコメディ、登場!

先日、ラノベ好きが集まるオフ会に参加してきました。その中でオススメされたのがこの作品です。「ああ、アレでしょ? 石川博品さんの新作のアレでしょ?」みたいな感じで、買ってあったもののタイトルが覚えられずにいました。今でも覚えられていません。

アイドルを題材にした本作。アイドル……最近TVを見るようにはなったけど、特に好きなアイドルはいないなあ、と。思春期の頃は好きなアイドルはいましたよ? そうですよ、あの大人気女性アイドルグループです……違います、「おニャン子クラブ」じゃありません。そんな歳じゃねえってばよっ!

当時、絶大な人気を誇った「モーニング娘。」が好きだった話はともかく。アイドル。彼女ら、あるいは彼らの「全力」を見ているととんでもなく元気が湧いて出てくる。アイドルたちの活力が注入されているかのように感じる時がある。カッコイイとか、カワイイとか感じるのは二の次のことで、やはり「全力」の「元気」を魅せることがアイドルの本懐だと思う。

石川博品さん作品ということで期待を持って読みました。や、面白かった。大人気アイドルグループを「偽物」のアイドル扱いをして、「真」のアイドルを魅せるために「全力」を尽くす少年少女たち。この作品を書くための、このキャラクターたちを「元気」一杯動かすための熱量は相当なものだったんじゃないかと感じた。そうでなければ、これだけ熱いアイドル道を描くことはできなかったのではないか。アイドルは夢を魅せるお仕事、いや生き方。それを強烈に感じることのできる一冊でした。ありがとうございます。