飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る―」感想

処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る― (GA文庫)

〈あらすじ〉
この世界には、異世界の日本から『迷い人』がやってくる。だが、過去に迷い人の暴走が原因で世界的な大災害が起きたため、彼らは見つけ次第『処刑人』が殺す必要があった。そんななか、処刑人のメノウは、迷い人の少女アカリと出会う。躊躇なく冷徹に任務を遂行するメノウ。しかし、確実に殺したはずのアカリは、なぜか平然と復活してしまう。途方にくれたメノウは、不死身のアカリを殺しきる方法を探すため、彼女を騙してともに旅立つのだが…妙に懐いてくるアカリを前に、メノウの心は少しずつ揺らぎはじめる。―これは、彼女が彼女を殺す旅。第11回GA文庫大賞“大賞”受賞作品。

GA文庫って長いこと「大賞」作品出してなかったんですね。新人賞作品ってことは意識するけど賞の中身まであんまり気にしてなかった。まさか賞金が300万円とは。ゴクリ。

読み終えてみると一作品として綺麗に纏まっていて確かに大賞作らしいと思えた。あとがきにて「スタイリッシュスパイアクションファンタジー」とめっちゃ長い謳い文句が書かれていたけど、まさにその通りの内容。

異世界(日本)から召喚され、得意な能力を持つ人たちを秘密裏に狩る処刑人の主人公・メノウは大きな闇と罪を背負う女の子。そんな彼女が能力の庇護下のせい(おかげ?)で殺せない天然元気少女・アカリ。この二人の少女の道程は血塗られているのにどこか喉かなところがあって、しかし一度バトルとなるとスタイリッシュに立ち回るメノウがカッコイイ。後輩処刑人モモ、じゃじゃ馬騎士の王女さまと、物語通じて女性率が非常に高いけど、みんな実は曲者でキャラが立ってる。良いところも見てくと改めて完成度が高いな、と。

惜しい点といえば、個人的には序盤であっさり殺された日本人の少年が、さあいつ復活して出てくるのかと思ったら最後までそのままだったということ。なんか良いキャラっぽかったので出てきて欲しかった。(笑)