「天才王子の赤字国家再生術2〜そうだ、売国しよう〜」感想

〈あらすじ〉
「私と一緒に帝国を奪りませんか?」
次代の名君として臣民に慕われつつ、楽隠居を目指して日々売国を画策する小国ナトラの王太子ウェイン。 僅かな手勢で隣国との戦争に勝利し、その名を内外に響かせた彼のもとに突然舞い込んだのは、後継争い に揺れる帝国の皇女ロウェルミナとの縁談話だった!?
うますぎる話に警戒するウェインだったが、周囲は帝国との関係が深まるとお祭り騒ぎ。しかも非公式の お見合いに訪れた皇女から提案されたのは、野望に溢れたもので――。
「超断りてえええええええええ! 」
天才王子による七転八倒な弱小国家運営譚第二章、ここに開幕!

嗚呼、売国シリーズ(略称が分からない)本当に面白い。休まず一気に読んだ。こんなに自分に合う作品は久しぶり。

今回もウェイン&ニニムのコンビ最高でした。縁談で現れた帝国の皇女様が、実は帝国士官学校時代の悪友。ロウェルミナ皇女は自らが皇帝に成り上がるための策謀にウェインたちを巻き込むためにやってきましたとさ、といった感じのお話。策士二人が不可視の鍔迫り合いをする展開が熱いし、何よりも「士官学校時代の仲間」が違う肩書を持って現れるこの展開が好物すぎる。あとロウェルミナの野心とは別に、ウェインとニニムに対する好意を見せるシーンは彼女の人間性が写されてホッとした。

どれだけウェインが策を練っても斜め上の出来事が発生して状況が混迷するこの作品の楽しさは今回も健在で、しかしそんな状況もしっかり利用してクリアしてみせる展開は流石。ウェインの顔芸もあれだけど、ニニムに本心を突かれたロウェルミナの動揺もメッチャ良いね！