飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない! 」感想

城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない! (GA文庫)

〈あらすじ〉
「僕の将来のクラン・メンバー、家族になってくれないだろうか?」モンスターが跋扈する遺跡・古城を攻略し、所有する集団―クランの設立を夢見る少年・レオン。彼はある日、ノーコンな自称天才魔導士の少女・リシアと出会う。「家族って、こ、公私ともに?」「いや、僕のクランはハーレムにしたいし」「アンタわりかし最低ね!」そんなノリで組みはじめた二人はしかし、大型古城を支配する竜人姉妹や、有名クランを率いる獣人王と出会い戦っていく中で、彼らだけの城、彼らだけの最高のクランを創り上げていく―!二人の絆でどんな強敵も討ち倒せ!攻城戦から始める剣と魔法の英雄譚!第11回GA文庫大賞奨励賞受賞。

お城みたいな大きな家が欲しいか、と聞かれると「暖冷房効率が悪くて電気代かかる」「部屋が多すぎて掃除が面倒い」といった感想しか出てこない貧乏性な僕がいます。あと「夜にトイレに行くのが怖い」も挙げときたい。

まず読んでいて感じたのは「ほのぼのとしたファンタジー」だなあ、という何処か懐かしさを感じる世界観。古代の力を有する城を占領したり取り合ったりする設定は面白い。主人公のレオンは城主になりたい駆け出し剣士で、そんな中で出会う最初の仲間が、魔力はあるけど何処に飛んでいくか分からないノーコン魔導士のリリア。レオンがアホほど真っ直ぐで努力家なのに対し、リシアはマウント取りたい意固地な女の子なので読んでいると彼女にちょっと「おいおい言い過ぎやりすぎだろ……」みたいな感情が生まれた。まあそれも後半戦になると引っ込んできます。リシアがレオンの真っ直ぐさに惹かれ出すので。

レオンは戦闘力の自己評価が低いけど結構な実力者である、ということをもっと早くに読者に教えて、逆境を跳ね返す展開を見せているとレオンの印象も変わったかな、と思う。タイトルを見るに、レオンは城主になれないのか……それはそれで物足りないような気がするので、バンバンとレオン君には成り上がって欲しいかな。