飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」感想

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 (ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
高度な科学力を有する帝国と、「魔女の国」と畏怖されるネビュリス皇庁。永く続く二国の戦場で、少年と少女は出会う。史上最年少で帝国の最高戦力となった剣士―イスカ。皇庁最強とうたわれる氷の魔女姫―アリスリーゼ。「わたしを捕えられれば、キミの夢も叶うかもしれないわ」「そっちこそ僕を倒せばいい。君の世界統一の前進になる」宿敵として殺し合う二人。しかし、少年は少女の美しさと高潔さに心奪われ、少女は少年の強さと生き方に惹かれていく。共に歩むことは許されず、互いを倒す以外に道はなくとも―。敵対する少年少女が世界を革新するヒロイックファンタジー!

細音啓作品は「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?」もそうだけど、厨二病心を擽る良いタイトルを付けてくるなあ、と。目を惹くタイトルでこれだけで紡がれる物語を想像することができる。つまりお洒落タイトルです(語彙力)

同時期にシリーズ展開しているMF文庫Jでの「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?」と似ているようで……いやいや全く異なる物語。敵と味方、0か10かで分かれた世界で真なる平和を望む剣士イスカと魔女アリス。

最強の敵が、実は最大の理解者である。その二人の、何処かぎこちなさのある交流……心惹かれていく場面が丁寧に描かれているのが本作の見所であり、だからこそ二人の共闘が映える。

なのでキャラ自体はイスカ側・アスカ側それぞれ出てきてはいるけれど、二人に焦点が当たっているので控えめだった。個人的には11人いるという強者「使徒聖」や、アリスの姉妹たちの登場が気になるところ。