「六人の赤ずきんは今夜食べられる」感想

〈あらすじ〉
名声のために罪を犯した過去を恥じ、いまは猟師として各地を旅する「私」。ある日、迷いこんだ村の村長から奇妙な警告を受ける。『森には、秘薬を作れる「赤ずきん」と呼ばれる少女たちが住んでいる。赤い月の夜、彼女らはオオカミの化け物に喰い殺されるが、決して救おうとしてはならない』と。だが、出会った「赤ずきん」のひとりに、かつて見殺しにしてしまった少女の面影を見た「私」は、警告を無視して彼女たちを護りぬくことを決意する。「私」の策は、森の外れの「塔」に、六人の「赤ずきん」とともに朝まで籠城すること。だが、その途中で「私」たちは化け物から思わぬ襲撃を受ける。そうして、「私」は知ることになる「赤ずきん」のなかに、裏切り者がいることを――。息詰まる攻防の果てに、「私」は少女たちを護りきれるのか? 第12回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞。戦慄のパニックミステリー!

このエントリを書くに当たって何故か小ネタを得ようと「赤ずきんチャチャ」について調べ始めた私がいました。まず持って関係ありません。はいはい香取くん香取くん。

六人の赤ずきんを喰らおうとする狼のような獣から彼女たちを守護する猟師。赤ずきんたちはそれぞれ特殊な力を発揮する秘薬を持っていて、それを駆使しながら強力な獣から逃れようとするが上手くいかない……そして気づく。赤ずきんの中に裏切り者がいることに。といった内容のバトルというよりも、ミステリー要素が強いまさに「人狼」というやつですか。

お話の序盤はあまりピンとこなかったけど、獣に襲われ始め、この戦いには実は裏があることが分かってきてからが本番。誰が裏切り者の赤ずきんで、どんなトリックで潜んでいるのか。と同時に強敵からも機転を利かせて逃げ続けないといけない。メッチャ忙しい。特に名前が似た感じなのでお爺ちゃんキャラ覚えるので忙しい。

本作は新人賞作品ということで、一冊の物語として良く出来てるなあ、と。残酷童話を読んでいるようで面白かった。